川崎市は、西菅公園(多摩区菅北浦)など市内6カ所の公園利用者に行った「公園禁煙化のアンケート調査」の結果をこのほど公表した。全面禁煙を希望する人が半数を超える一方で、分煙を望む声も3割超あった。市では、今年度中に公園での喫煙の在り方を検討し、来年度には方針を決定する考え。
市は、望まない受動喫煙、火災の懸念などについて、公園利用者から苦情や相談が複数件寄せられていたことを受け、3月1日から4月30日まで、西菅公園や等々力緑地(中原区)など市内6公園で「全面禁煙化」の取り組みを試行。周知看板やポスターなどを掲示したほか、調査員による見回りを行った。公園内での喫煙について、利用者にはアンケート調査を実施した。
アンケートには518人が回答。喫煙習慣があるかの問いには、「よく吸う」が11%だったのに対し、「吸わない(禁煙した)」が85%だった。喫煙のどういうところが気になるか(複数回答可)については、「におい」が最も多い346件で、次いで「ポイ捨て」が298件、「けむり」が285件だった。公園での喫煙をどう思うかの問いには、「全面禁煙がいい」が54%で、「分煙がいい」は34%という結果だった。
寄せられた意見では、「禁煙化の取組の看板をもっと増やしてほしい。看板やポスターがあると利用者からも注意しやすい」「禁煙にしても喫煙する人は必ずいる。喫煙できる場所を設置すべき」といった声があがった。
来年度に方針決定
市は、登戸・向ヶ丘遊園駅や新百合ヶ丘駅周辺など市内7カ所を「路上喫煙防止重点区域」に指定することで喫煙者に過料を課す「路上喫煙防止条例」を施行しているが、公園は対象外。喫煙者へ配慮のお願いや注意喚起の看板を設置するなど喫煙者のマナーに委ねられているのが現状だ。
今回のアンケート結果について、市の担当者は「禁煙を求める声が多かったが、分煙を求める声も一定数あり、両方の意見を聞くことができた。それらの意見を踏まえ、他市の取り組みも参考にしながら、公園での喫煙についての考え方を検討していきたい」と話す。市は、今年度中に公園内の受動喫煙対策や、たばこの火による安全性などの課題を検討し、パブリックコメントなどを経て、来年度には方針を決めていくとしている。
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