知的障害者の社会参加を促進しながら、共に生きる地域社会実現を目指す「青年教室」が今年度もスタートした。多摩市民館が1997年から企画運営しており、主体的なボランティアらによって支えられている。初期から携わっている永田ゆかりさん(55)は「一緒に楽しむことができるので続けられる。気軽に多くの人に参加してもらいたい」と呼びかける。
年間を通じて、アート体験やバスハイク、料理教室などを実施している同教室。知的障害者やその家族も含めて、交流の場になっている。今年は28人が参加、さまざまな体験を積んでいる。
7月6日は「段ボールシートの巨大パズルをつくろう!」と銘打ち、それぞれが紙片に思い思いの絵を描いた。それらをつなぎあわせると、大きな富士山が浮かび上がるアート作品だ。15年近く講師を引き受けている画家の與倉豪さん(59)は「個性(紙片)を生かしながらも、多様性のある社会(大きな絵)を成り立たせることができるというメッセージを込めた」と思いを話す。
完成した作品は、来年3月に同館で行われる「たま学びのフェア」で展示される予定だ。
参加者の一人は「(障害のため)一人で普段、自立して外出することが難しい。アートや人との交流ができて、楽しかった」と笑顔を見せる。
青年教室が始まった翌年から、ボランティアが事業を支え続けてきた。今年は17人の有志が活動を支えている。市民館の担当者は「知的障害者とボランティアが一緒になって、思い出を作っている。みんなで行う教室になっている」と話す。初期から関わるボランティアの市川ひずるさん(45)は「毎年切り口を変え、マンネリ化しないよう工夫している」と述べ、一人一人のペースに合わせ、話しかけるようにしている。「お互いに学び合い、喜び合える関係」とボランティアは口を揃え、楽しんでいる。
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