登戸駅周辺を通り、江戸時代に物資の流通などで重要な役割を果たした「津久井道」に設置するデザインマンホールがこのほど完成した。デザイン案は公募され、多摩区民による投票などの結果、カラー版・通常版共に高津区に住む竹田真由子さんの作品が選ばれた。7月10日には登戸区画整理事務所(多摩区登戸)で、優秀作品受賞者の表彰式が行われた。
デザインマンホールは、1988年から続く土地区画整理事業によりかつての街並みが失われつつある登戸地区の歴史や文化を継承し、地域の誇りと愛着を育もうと、同事務所が昨夏から実施してきた取り組み。江戸時代、津久井地方から柿生や生田、登戸を通り、絹や麻生の特産物である禅寺丸柿などを江戸へ運ぶ流通の主要道だった津久井道にある既存のマンホールを、歴史を感じさせるデザインに更新しようと昨年7月にデザイン案を募集。カラー版14作品、通常版12作品が寄せられ、検討委員会の審査と多摩区民による投票を経て最優秀作品を決定した。そしてこのほど、実際に道路に設置するマンホールが完成した。
最優秀作品に選ばれた竹田さんのデザインは、多摩川の名産である鮎や梨をモチーフに、街道として軒を連ねた津久井道が描かれている。背景は江戸時代から身近な文様だった三崩し柄と玉石をイメージしたという。登戸駅付近から善立寺付近までの延伸約270mの間に、カラー版1カ所、通常版7カ所が8月中に設置される予定だ。
多摩区菅馬場出身の竹田さんは7月10日に行われた表彰式で、「子どもの頃から見ていた津久井道やまちの風景はこの30年間でどんどん変わっていった。区画整理でいろいろなものが壊されて悲しい思いや、新しいまちへの期待感が入り混じった状態だと思うが、歴史を継承していくことは大切なこと。このデザインマンホールをきっかけに皆さんに愛される街並みができていくと良いと願っている」と述べた。またカラー版で池谷夏菜子さん、通常版で湖崎英里子さん、カラー・通常版の両方で天野穂積さんが優秀作品に選ばれた。
市まちづくり局の宮崎伸哉局長は、「マンホールは子どもの目線に非常に近く、地域のお子さまたちに愛着を持ってご覧いただけるのでは。これがまた、子どもたちも含めて一緒にまちづくりをしていく一つのきっかけとなれば」と話した。
多摩区役所1階アトリウムで7月26日(金)まで、最優秀作品の実物マンホールや、今回の取り組みに関するパネルの展示などが行われている。
詳細は同事務所【電話】044・933・8581。
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