川崎市消防局は7月30日、今年上半期の市内火災件数を発表した。電気火災が61件(速報値)で過去10年の平均39・2件を大幅に上回っていることがわかった。特にリチウムイオン電池に起因する火災が前年よりも増えており、気温が上がる夏季の使用、取扱いに注意を呼び掛けている。
今年上半期の市内の火災発生件数は181件で、前年同時期の204件より23件減少しているものの、過去10年間の平均件数179件よりも2件増加している。
火災原因別では、「電気機器」と「たばこ」が22件で同数。次いで「放火」が20件だった。これまでたばこや放火が多かったが、電気機器による火災が増えているのが特徴だ。電気機器以外にも、配線器具、電灯・電話等の配線などを含めた「電気火災」が61件と、過去10年の平均39・2件よりも大幅に増えている。中でもリチウムイオン電池を起因とする火災は17件と、昨年よりも8件増加。市消防局の担当者は「家庭内で電気機器が増え、その中にリチウムイオン電池が搭載されているものも多く、経年劣化によって原因になっている」と分析する。
電気火災の事例として「落として衝撃を受けたモバイルバッテリーをそのまま使用し、充電中に出火」「車内に置いていたモバイルバッテリーから出火」などが挙がる。同担当者は「夏は車内が高温になるため、携帯電話やモバイルバッテリーを放置しないように」と注意を喚起する。
多摩麻生でも上昇
多摩区ではこんろが5件、麻生区は電気機器が4件で最多。市消防局は「充電器やバッテリーは製造メーカー指定のものを使用すること、膨張したバッテリーは使用を中止、タコ足配線をしないこと」と電気火災への対策を話す。万が一、火災になった場合に備え、住宅用火災警報器の設置も呼び掛けている。警報器は条例で設置が定められているものの、市内の設置率は86%(標本調査/今年6月時点)。「定期的な検査と10年を目安として本体の交換を検討してほしい」と話している。
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