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新百合丘一輪車クラブ ペアで掴んだ世界一 「日本の表現力」で魅了

スポーツ

公開:2024年8月23日

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現地で衣装をまとう下田さん(左)と日野さん=保護者提供
現地で衣装をまとう下田さん(左)と日野さん=保護者提供

 新百合丘一輪車クラブに所属する下田実來さん(百合丘高校1年)と日野あかりさん(王禅寺中央中学3年)が、7月にアメリカ・ミネソタ州で開催された「第21回国際一輪車競技大会」(UNICON21)のフリースタイル競技ペア部門の15〜16歳の部で世界一に輝いた。2人は、ペアで初めてとなる優勝の喜びや、国を越えて感じた日本との違いなどを語った。

 同大会は2年に1度開催され、今年は22カ国から1200人を超える選手が出場。スピードを競うトラックレースや一輪車に乗りながらバスケットボール、ホッケーを行うチームスポーツなど6種目が行われた。

 2人がエントリーしたフリースタイル競技は、一輪車に乗りながら音楽に合わせて回転技やジャンプなどを組み合わせた演技を行うもの。ペアのほかにもソロ、団体部門が設けられている。

笑顔を武器に

 2人は世界の舞台を振り返り「海外選手は日本では主流じゃない技をたくさん披露していた。海外は技術メインだけど日本は表現力にも強みがあり、そこが評価されたのだと思う」と分析する。

 本番は、女性がツインボーカルで歌う曲を流して演技。歌の掛け合いに合わせて一人ずつ技を披露する構成で挑んだ。見せ場で落車があったものの、次の大技に果敢にトライ。見事に決めきり、勝利を掴んだ。下田さんは「落ちてしまったけれど、やりきるぞという気持ちで難しい技にも挑戦できてうれしかった」と安堵の表情を浮かべる。ペアの武器は「常に笑顔でいること」。日野さんは「曲の中のかわいらしい声に合うよう、にこにこ楽しみながら演技できた」と顔を綻ばせた。

 会場では衣装の違いに驚いた。日本人選手は華やかな衣装をまとうが、海外ではタイツなど比較的シンプルなものが多かったという。2人の衣装は保護者のお手製。下田さんは「誰が作ったのか、と海外の選手に声をかけられた。スピンの時にふわっとスカートが舞い上がるのは確かにきれい。海外に行ったことで(自分の衣装が)実はすごかったんだと気付いた」と目を輝かせた。

居心地よい関係性

 一輪車と出合ったのはそれぞれ小学1年の時。2人は前のクラブに所属していた頃からのチームメイトだ。現クラブに移籍後、昨年初めて全日本大会にペアで出場し準優勝の成績を収めるなど着実に成長を遂げてきた。

 下田さんが「自分がこうしたいと伝えるとすぐ受け入れてくれる素直さに助けられている」と日野さんの魅力を語ると、日野さんは「几帳面でしっかりしているからつい頼っちゃう。演技も性格も真反対だけど、なぜだか居心地がよい」と下田さんについて話し、互いに照れ笑いを見せた。

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