川崎市と哺乳器ブランドオーナー6社は、9月6日から市内各区役所に、家庭で使わなくなった哺乳器の回収ボックスを設置し、リサイクルの実証実験を開始した。育児用品メーカーが協働して、哺乳器のリサイクルに取り組むのは今回が初。実証実験を通して、効率的な回収方法などの構築を目指す。
今回の実証実験は、川崎市が推進する「かわさきプラスチック循環プロジェクト」の一環として、哺乳器ブランドオーナー6社(ピジョン(株)、コンビ(株)、ジェクス(株)、(株)ズーム・ティー、(株)ダッドウェイ、雪印ビーン・スターク(株))が連携して取り組む。期間は来年2月28日(金)まで。各区役所の入り口付近に回収ボックスを設置し、家庭で使わなくなった哺乳器(容器、乳首、フードキャップでメーカーは問わず)を回収して資源リサイクルを目指す。
集まった哺乳器は川崎市が回収し、ピジョンが分別して量や品質などのデータを集計。回収した各パーツはリサイクル業者の手で、プラスチックはプランターやパレット、工場の配管などに、ガラスは路盤材などを製造するための原料の一部に再生される。期間中に700本の回収を想定しており、回収の協力、効率的な回収方法などの検証を行う予定だ。
業界でも全国初
これまで哺乳器は、普通ごみとして回収、焼却されており、リサイクルが進んでいなかった。ピジョンは2022年から関係企業と連携して哺乳器の回収とリサイクルを実施。そこで得た知見などを生かし、業界として推進していこうと他社に働きかけ、プラスチックの循環に積極的に取り組んでいる川崎市で初めて実施することになった。
今回の実証実験に参加している6社による哺乳器の国内シェアは9割。市の担当者は「6社の取り組みということで協力した。メーカーによって製造が異なるので、今回の取り組みを通じて製品自体を見直し変わっていくことに期待したい」と話す。ピジョンの担当者は「6社で手を組んで環境問題に取り組んでいきたい。データを共有し、啓発を行っていく。回収スキームを検証して、今後に生かしていきたい」と期待を寄せた。
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