川崎市の文化芸術や地域貢献への功績をたたえる「市文化賞」など各賞の贈呈式が11月8日、川崎市役所で開かれた。2024年度の文化賞は、JR武蔵溝ノ口駅を中心にブレイクダンス(ブレイキン)の文化を築き上げた石川勝之さん(43)=中原区=と、映画館やライブホール運営などで川崎の文化振興に尽力した「チッタグループ」(川崎区)に贈られた。
市は、政令市となった1972年から、文化芸術や社会福祉、スポーツなどの各分野で顕著な活躍や功績のある個人や団体に、功績をたたえる各賞を贈呈してきた。
第53回市文化賞を受賞した石川さんは、武蔵溝ノ口駅構内を拠点にブレイキンの技を磨き、仲間とダンスコミュニティーを作り上げた。その上で国内外のさまざまな大会で優勝し、「溝ノ口」をブレイキンの聖地として世に知らしめた存在だ。
同じく文化賞に選ばれた「チッタグループ」は1937年の創業以後、川崎の文化振興を支えてきた。川崎駅前を「映画街」として発展させ、国内初のシネコン「チネチッタ」やヒップホップの聖地となったライブホール「クラブチッタ」などの文化商業施設を次々と開業。「カワサキハロウィン」などの集客イベントも主催してきた。
市民生活や地域社会の発展に尽力した個人と団体に贈る「社会功労賞」には視覚障害者支援団体「水車の会」を64年に立ち上げ、出版物の音訳ボランティア活動を続けた齊藤準(しとし)さん(80)と市産業振興財団ナノ医療イノベーションセンターのセンター長・片岡一則さん(73)が選ばれた。
文化芸術分野で今後の活躍が期待される若手アーティストに贈る「アゼリア輝賞」には2人が選ばれた。クラシックギター奏者の斎藤優貴さん(27)=多摩区=は、世界的なギターコンクールで最高賞を受賞するなど国際コンクールで55回の受賞歴をもつ。サクソフォーン奏者の渡邉瑠菜さん(21)=麻生区=は、昭和音楽大学音楽学部の現役大学生ながら、プロのジャズミュージシャンとしてステージ活動を続けている。
式には5人が出席。福田紀彦市長は「市制100周年に相応しい方々に受賞いただいた。それぞれの道を貫き通し活躍されてきたと思う。皆さまの受賞をお祝いするとともに今後ますますのご活躍を期待する」と祝辞を述べた。
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