年間1万人以上に絵本読み聞かせを行う「りぷりんと・かわさき」の代表を務める 渡邉 晴子さん 多摩区栗谷在住 79歳
絵本で三方良しの幸せを
○…多摩区内の保育園などで年間約400回、1万人の子どもたちに絵本読み聞かせを行う。物語の世界に引きこむ話し手は、60歳以上のシニアボランティアたち。「活動は生きがい。人とつながり、認知症予防など、健康作りになっている」と目的を語る。2006年の発足以来、継続的な活動が認められ、(公財)ソロプチミスト日本財団から社会ボランティア賞を先月受賞した。「シニア、子ども、そして保護者たちも。『三方良し』となる幸せな場を続けていきたい」
○…昔から子どもが好きだった。小学校教諭を務め、結婚後は専業主婦に。2人の男の子を育て上げた。60代となり父の介護が落ち着くと時間が空いた。「子どもと接するボランティア」に心躍った。その思いは今も変わらず、仲間と共に工夫を凝らしている。
○…航海士だった亡き夫は結婚生活の半分を海の上で過ごした。「遠くにいたけれど、いつも気にかけて、見守ってくれた優しい人」と偲ぶ。「夫が見ていた大海原を見たい」と1人で世界一周の船旅に出掛けたのはコロナ直前。世界の人とふれあい、交流を持った。「船内でのイベントも多くて。実はあまり海を見ている時間はなかった」と茶目っ気たっぷりに笑顔を見せる。
○…「りぷりんとさん!」とまちで声をかけられる。保護者からは感謝の言葉をもらう。「メンバーはみんな子どもたちからエネルギーをもらっている」。声のトーンや読む速さなど、まだまだ練習の日々は続く。「重たい絵本を持っているために体力も必要よ」。絵本探しに歩くことも健康の秘訣。宝物だという子どもからの感想文は活動への励み。どうしたら絵本に込められたメッセージを伝えられるのか。思いを巡らせる。
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11月22日