精神障害者への理解を深めてもらおうと、多摩市民館で12月12日、フォーラム「ありのままに〜統合失調症がやってきた〜」が開かれる。統合失調症で療養し、芸能界に復帰した漫才コンビ松本ハウスのハウス加賀谷さんが講演し、漫才を披露する。主催するのは、市内のNPO法人や社会福祉法人などで構成する同フォーラム実行委員会。
統合失調症とは幻覚や妄想という症状が特徴的な精神疾患。薬の開発やケアの進歩によって回復または日常生活に支障がない状態に至るケースも増えている。 人気絶頂中だったハウス加賀谷さんは統合失調症を悪化させ、99年から10年間活動を休止していた。入院やリハビリを経て芸能界に復帰。昨年夏、相方の松本キックさんの視点も交えてその体験を赤裸々に綴った本『統合失調症がやってきた』を発行した。
フォーラムでは松本ハウスの2人が漫才と講演を行い、統合失調症について分かりやすく伝える。また、弁護士の池原毅和さんが「そうだったのか!障害者権利条約と障害者差別解消法」と題して基調講演を行う。
主催者によると、市内には知的障害者や精神障害者が生活するグループ施設が174カ所あるという。ただ、多摩区内では今春、精神障害者のグループホーム入居者の転居を巡って移転先周辺の住民が反対する運動を起こした経緯がある。障害者の人権侵害が社会問題として叫ばれて久しいが、まだまだ理解が進んでいないのが実態だ。
同実行委員の三橋良子さんは「統合失調症は適切な支援が受けられれば、社会参加できる。ありのままを知ってもらい、市民の理解を深めたい」と話している。
会場は多摩市民館大ホール。午後1時開場、1時30分開演。チケットは500円。定員は900人。
チケットの申し込み・問い合わせはNPO法人たま・あさお精神保健福祉をすすめる会の三橋さん(【電話】044・281・6641)。
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