中原区 人物風土記
公開日:2011.10.21
中原市民館でミュージカルを行った障がい者音楽教室 『夢はるかファミリー』の代表
一政 さつきさん
市内在住 50歳
愛を育むオペラ講師
○…知的障がいのある人が集う音楽教室「夢はるかファミリー」によるミュージカルが今月2日、中原市民館で行われた。「心のバリアフリー」をテーマに4歳から30歳までの生徒23人が歌や演奏を披露。「ステージは個性を発揮する場。子どもたちが輝く姿に多くの人が涙を流してくれた」と話す。ダウン症の長女・春花さんの友達と一緒にスタートした同教室。〈あきらめない・あせらない・あまやかさない〉のそれぞれ頭と末の文字をとった3つの”あい”で生徒の成長を温かく見守る。
○…小学1年生のとき叔母の影響を受けピアノを始めた。「マイペースのため、中々上手くならなかったけれど発表会があると一生懸命練習していた」。その後、13歳で岩手の親元を離れ洗足音楽大学付属中学校ピアノコース科に編入。高校1年生の時に歌う楽しさに気づき、声楽科に専攻を変えると才能が開花。現在では国内外でオペラ歌手として幅広く活躍している。「音楽って素晴らしい。目立つことが苦手だった私が今は人前で大きな声を出せているんですよ」と笑う。
○…愛する家族は4人。春花さんが通う保育園で、子どもが生まれたときのことを説明する課題が出たため『神様からの贈りもの』という紙芝居を作った。「春花ちゃんがママを助けるために神様と禁断の約束をし、空から母体に向かう列車にフライングして乗車。そのため通常より成長が遅くなってしまうストーリー」。ダウン症の子どもの誕生を温かく綴ったこの物語の噂は広がり全国約30ヵ所で公演されている。「春ちゃんのママにしてもらい世界で一番幸せだよ」。母親としての愛情があふれる。
○…母校でもある洗足学園音楽大学で講師を務め、川崎市民オペラ合唱団総監督としても活躍。「年齢や人種を超えて誰でも楽しめるのが音楽」。今後の夢は「生徒たちみんなで感動的な舞台を作りたい」と目を輝せる。
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