新年にあたり、本紙では向坂光浩中原区長にインタビューを行った。昨年の振り返りや、今年の区役所の取り組み、抱負などについて話を聞いた。(聞き手/本紙・中原区編集室 有賀友彦)
――昨年を振り返り、区の取り組みの総括をお願いします
「昨年の漢字は『災』でしたが、中原区では特に大きな災害がなく安全に暮らせた一年だったと思います。しかし全国では多くの災害が発生し、区では危機管理担当の職員を被災地に派遣し避難所支援などにあたりました。そこで得た体験や生の声を、昨年度から実施している区の総合防災訓練などの場で区民に伝えることができたと思います。1月27日には今年度2回目の訓練が平間中学校で行われますので、より多くの方に参加してもらいたいと思います。
また、子どもから高齢者、障害のある方まで全ての皆さんが住み慣れた地域で安心して暮らしていくための『地域包括ケアシステム』も、土台づくりから発展へと移ってきました。大戸・玉川・丸子の3地区でワークショップが開かれ、職員も加わり積極的にアイデアを出しあい、地域それぞれの特色をいかした方向性が示されました。そこで改めて感じたのは、中原区には地域活動をしている人、自ら行動する人、支え合い協力する人が非常に多いということ。そこに参加し、お互い顔見知りになることで、その輪はさらに広がります。今年は残る小杉・住吉の2地区でもワークショップを行うため、タワーマンションにお住まいの皆さんも含め参加を呼びかけていきたいと思います。
昨年は明るい話題も多くありました。地元の川崎フロンターレがリーグ2連覇を達成。今回はしっかりシャーレを掲げ、優勝決定後のホーム戦は私もスタンドで観戦し、見事に勝利で締めてくれました。また、区内在住の化学者・藤嶋昭さんが25年ぶり5人目の川崎市名誉市民に選ばれました。小学校への出前授業も大変分かりやすく、児童に理科の楽しさを教えてくれています。区民祭は40回、中原文化祭は50回を数え、節目の一年ともなりました」
――今年、特に力を入れていきたい取り組みを教えていただけますか
「引き続き、安全安心の街づくりに努めます。昨年11月に、消防署長・警察署長と私で『MEZASHI』というユニットを結成しました。イベントに参加協力いただいた3ピースロックバンドのSHISHAMOにちなみ、『中原区の安全・安心を“MEZASHI(めざし)”ます』という思いを込めて命名しました。消防・警察・区役所の連携した取り組みをPRするもので、横串のイラストで一体感を示しています。
その中で課題の一つが特殊詐欺の増加で、区内の昨年の被害額は過去最悪の約8700万円にのぼりました。区職員を語る還付金詐欺など、腹立たしい手口も増えています。区役所内で注意喚起の放送や、警察や老人会と協力しチラシを配るなどで広報していますが、なかなか結果に結びつかないのが現状です。身内を語っても、疑いの目を持って本人か家族に相談してほしいと思います。
また、平坦な土地がら自転車の利用者が多く、事故率も高いのですが、気になるのはマナーです。児童らは学校の交通安全教室などで学んでいますが、その見本となるべき大人が道を横断したりスピードを出したりでは困ります。子どもが見ているという意識を持つことが被害者や加害者になることを防ぎ、安全安心な街づくりにつながります。
昨年、『これからのコミュニティ施策の基本的な考え方(素案)』が作成されました。今年は地域課題解決に向けたこれまでの取り組みを踏まえ、区の特色をいかした仕組みを構築していきたいと思います」
――最後に、今年の抱負、区民へメッセージをお願いします
「これまで防災に関する冊子や資料が幾つかありましたが、全てをまとめた1冊を今年3月までに全戸配布します。ぜひ災害に備え、お目通しいただきたいと思います。
また、中原区はスポーツが盛んな街です。3連覇が期待される川崎フロンターレの他、川崎ブレイブサンダース、NECレッドロケッツ、富士通フロンティアーズ、富士通レッドウェーブなど強豪チームが揃っています。小学生や中学生向けの教室も人気です。中原区で何冠か獲れると嬉しいですね。等々力陸上競技場はバックスタンド側を改修し座席を増やす構想もあります。等々力緑地全体としては、採算性など民間の意見を取り入れつつも、緑地であることを鑑み、より魅力的な公園にしていきたいと思います」
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