自転車や歩行者が滞留し、混雑が問題視されていた向河原駅前の「開かずの踏切」。現在、迂回路の整備が進められており、6月30日午後5時から利用開始となる。市は、迂回路への分散により踏切の混雑を緩和し、児童ら歩行者の安全性を高めたい考えだ。
迂回路は南武線に沿って向河原駅から平間駅方向へ全長約280m、幅員4mで整備。歩行者と自転車の専用通路とし、既存の線路下をくぐる道路へとつなぐ。主に想定される利用者は、中丸子や北谷町周辺と武蔵小杉駅付近を行き来する自転車。市の試算では、迂回路の開通により1日に踏切を渡る自転車の約20%、朝のピーク時は約50%の削減効果があるという。
現在、踏切の遮断時間は、ピーク時で1時間のうち46分。中には、踏切を押し上げ強引に自転車を通すなど危険な横断も目撃されていた。地元住民も「ひどい状況。迂回路で踏切の環境が改善されれば」と期待を込める。
市は今後、歩行者と自転車の通路の色分け、自転車の速度を抑えるための車止め、ミラーの設置など、安全対策も進めていきたいとしている。
また、地元住民からは、平日の朝夕限定で開放されている「NEC専用改札口」の利用時間拡大を望む声も聞かれる。武蔵小杉駅側から踏切を渡らずにホームに入ることができるのが理由だ。現在NEC側が経費を負担しており、市は「警備費など課題はあるが、利用方法については今後検討の余地はある」としている。
平間駅も対策を検討
同じく「開かずの踏切」の平間駅前。周辺には建物が密集しており、市は「迂回路の整備は困難」と話す。近くに歩道橋はあるが、歩行者専用で傾斜もあり利用は限定的。南武線立体交差事業は早くても20年かかるとされ、市は「まず踏切の遮断時間の短縮」などJRと協議していくという。
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