新年にあたり、本紙では永山実幸中原区長にインタビューを行った。昨年の台風災害などを振り返るとともに、今年の抱負や展望などを語った。(聞き手/本紙・中原区編集室 有賀友彦)
――昨年を振り返り、手応えがあった点をお聞かせください。
「区長に就任して9カ月余りですが、3年前に副区長を一年間務めていたこともあり、地域の諸団体や区民の皆さんとの関係もスムーズに構築できたかと思います。特に、警察と消防の両署長と連携し中原区の安全安心をめざす”MEZASHI”を前任者から引継ぎ、昨年5月に多摩区で起きた児童刺傷事件後には、区内の小学校に出向き見守り活動などを新たに実施しました。また、区民はもちろん区内で働く人にとっても働きやすいまちづくりをめざし、企業や団体とともに、こすぎコアパークで『働く人のストレス解消!武蔵小杉駅前スタンド』と銘打ったイベントを行いました。働く人同士の交流の場として賑わいをみせ、昨年末には市民と福田市長が対話する車座集会でもその可能性について参加者で話し合われました。地域のつながりに、企業や団体で働く人も加わっていくことで、防災や地域包括ケアも充実すると思います」
――昨年は台風が相次ぎ、中原区にも大きな爪痕を残しました。
「被災された皆様には心からお見舞い申し上げ、一刻も早く安全安心な生活に戻られるようお祈り申し上げます。中原区では土砂災害警戒区域の井田地区で避難所を開設するケースはありましたが、区内30カ所の避難所全てを開設したのは今回が初めてでした。また、地域の防災訓練では地震対策が中心になっており、水害を想定する訓練はこれまであまり無かったと思います。台風は経路や時間帯など、あらかじめ情報が得られることから、区としては職員一丸で区民の安全安心を最優先に準備しましたが、被災を受けたことは残念でなりません」
――その取り組みの中で感じたこと、今後の課題や対策はありますか。
「特に今回感じたのは区民の結束力です。自宅が被災しているにもかかわらず地域のためにすすんで復旧作業に参加してくれた方や、被災地域の町内会や自治会自主防災組織の行動と団結力、地元消防団の活躍など、まさに共助です。
防災訓練に「水害対策」も
行政や諸団体だけでなく、地域が連携し自助・共助・互助ができれば力強いまちになるはずです。中原区としては、引き続き関係局と連携し、被災者の健康と心のケアを含めた支援を行うとともに、今回の検証をふまえた災害への備え、地域の災害情報を区民にどう伝えていくのかなど、区民のニーズを伺いながら対応していきたいと思います」
――最後に今年の抱負と、中原区のまちづくりの展望などについてお聞かせください。
「今年は東京2020オリンピック・パラリンピック大会があり、聖火ランナーが中原区を走ります。その盛り上がり、気運に乗って、区民、企業、諸団体の皆さんと共に中原区をさらにPRしていきたいと思います。まちづくりの理想は、何よりも安全安心で優しく、災害に対しては強靭で力強く、住み続けたいと思えるまちです。中原区は地域によって特色があり、多様性をいかそうという川崎市の縮小版ともいえます。そんな地域間の連携も図っていけるよう区政運営を進めたいと思います。また、今年は市の防災訓練で中原区が当番区になります。これまでの訓練の他に、水害対策訓練を盛り込みたいと思っています。他にも、小杉3丁目東地区の新たなまち開き、一昨年台風で中止になった川崎市出身のスリーピースロックバンド『SHISHAMO』の等々力陸上競技場でのライブも今夏に予定されています。今年も、住みよいまちづくりに向け、区民の皆さんとともに取り組んでいきます」
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