中原警察署(蒲山彰署長)は2月20日、ポポロプラント(株)(新丸子東/前川光久代表)と大規模災害発生時に同社が所有する無人航空機(ドローン)を活用するための協定を締結した。区内における被害状況を迅速に把握し、救助体制の強化を目指す。
プラントの配管や建設設計を手掛ける同社では、数年前から業務にドローンを導入。工場タンク内面の腐食検査や人が立ち入れない工場の現状撮影などに活用してきた。そうした実績を評価し、同署が協力を依頼して協定締結に至った。
想定としては、災害発生時に同署から同社へ支援を要請。それを受け、操縦資格を持つ同社社員が署員と現場へ出向き、ドローンで撮影を行う。その映像の様子を本署に伝え、支援策や救助人員の割り当てなどを決めるという。
現状では、主にパトカーやボートを使って現状把握を行っているため、人が立ち入れない区域の状況を把握しえないことや、時間を要することに課題がある。今後はドローンを活用することで、把握の迅速化が期待されるほか、人が立ち入れない区域の状況も映像で確認できるようになるため、要救護者の早い段階での発見につながるとされる。
中原区は、土砂災害警戒区域に指定される井田地区、台風19号で浸水被害が発生した多摩川周辺、タワーマンション群の武蔵小杉など、災害時の課題は地域により異なる。そこで同署では、東日本大震災以降、有事に備えた体制強化に努めてきた。蒲山署長は「これまで現場の状況把握に割いていた人員を救助に充てられるようになる」と期待。前川代表は「震災以降、災害支援の力になりたいという思いが強い。社員一同誇りに思う」と話した。
なお、災害時のドローン活用について、市内警察署ではすでに麻生署と幸署が民間と協定を結んでいる。
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