市政レポートVol.13 川崎市「GIGAスクール構想」の整備状況 川崎市議会議員 吉沢 直美
OECDが、学習におけるIT機器の活用状況について調査したところ、日本は授業でパソコンなどを活用する割合がOECD加盟国で最下位。コロナ禍の休校中、ICT環境整備の遅れを理由にオンライン学習を進められない学校が目立ち、海外から出遅れました。政府は今年4月、教育のデジタル対応を加速し、個々の習熟度に合わせた学習を実現する「GIGAスクール構想」を前倒し。21年3月末までに1人1台を配備する方針を決めました。
しかし、構想実現に向け課題は山積。新型コロナ感染が再拡大すればオンライン学習の実施が求められますが、端末の配備が終わらないまま再び休校になった場合はどう対応するのか。保護者の方々から川崎市のGIGAスクール構想の整備状況について心配の声が寄せられています。そこで、6月議会の議論内容を報告します。
♦校内のネットワーク環境整備
川崎市では、173校の通信ネットワーク整備を行います。各学校の配線作業は9月以降に順次入札を進め、作業時間は1校当たり1〜2週間程度。授業に影響がでないよう放課後等も活用し、同時に回線のセキュリティ強化も行います。
義務教育の全児童生徒に1人1台の端末を整備するにあたり、本市では11万7058台が必要となり、端末は8月〜9月に一般競争入札予定。ネットワーク整備が完了した学校から順次納入、高速回線に接続し動作確認。今年度内にすべての市立小・中・特別支援学校で児童生徒1人1台端末の整備を完了予定。
♦家庭でのオンライン学習環境整備
家庭学習の通信環境整備について、各学校で児童生徒の家庭におけるWi―Fi環境調査を行った結果、Wi―Fi環境が整っていない割合は約3・6%でした。
国の補正予算にもモバイルルーターの整備費が盛り込まれ、本市はその調査結果を踏まえ、小学校3148台、中学校1475台、高等学校217台、特別支援学校50台、そして予備を加え合計4890台のモバイルルーターを見込み、10月導入を予定しています。
また、その通信費用は公費負担として算定。すでにWi―Fi環境のある家庭の通信費用は(現時点では)引き続き各家庭での負担をお願いし、今後、日常的に家庭におけるオンライン指導を行うようになった場合の費用負担の在り方については、GIGAスクール構想の進展を踏まえて検討していきます。
♦GIGAスクールサポーター配置と教職員研修
教員の指導体制を支える初期段階にはGIGAスクールサポーターを配置することを検討しており、各種マニュアルの作成や、導入業者と学校の連絡調整等を行います。総合教育センターが必要に応じて各学校に派遣し、区ごとに1名、特別支援学校の対応に1名、統括に1名の合計9名を想定しています。
また、教職員の人材育成等については、研修体制を充実させ、機器導入と一緒に専門業者による操作・活用研修を検討していくとともに、総合教育センターでの集合研修や各学校への訪問研修、オンライン研修などを実施。導入にあたり教職員等の過度な負担にならないよう検討し、教員のICT指導力の向上に努めていきます。
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11月22日
11月15日