丸子の渡し復活協議会は、これまでの「丸子の渡し祭り」を振り返る映像を、動画投稿サイト「ユーチューブ」の公式チャンネルで公開した。新型コロナウイルスの影響で毎年秋に実施している祭りを中止したため、代替案として企画。同会の尾木孫三郎会長は「多くの人に丸子の渡しを知ってもらうきっかけになれば」と話している。
丸子の渡しは、現在の中原区と対岸の大田区を結ぶ交通や物流の手段として盛んに利用され、江戸時代には江戸への玄関口の役割も担っていた。丸子橋竣工を機に1935年に廃止。2006年には、歴史を次世代に伝えようと市民が中心となって同協議会が発足し、14年からは渡しを体験できる同祭りを通して文化を継承してきた。
9日に公開された第1弾動画は、14年からの祭りを写真のスライドショーで振り返る内容。渡しの様子や出店を楽しむ参加者の姿が映されている。動画を手掛けたメンバーの高橋義人さんは「記録として撮っていた写真が多くあったので、まずは様子を知ってもらうために動画にまとめた」と話す。
祭りの開催予定日だった9月27日に関係者だけで行われた、整備された護岸のこけら落としの様子や、丸子橋竣工までを振り返る歴史的な動画なども制作し、随時公開する予定だ。SNSアカウントを開設し、さらなる周知を図ることも検討されている。
同祭りは、例年1000人以上が集まるため密を避けられないと、東日本台風の影響を受けた昨年に続き、2年連続の中止となった。尾木会長は「別の方法で活動を周知できないかとメンバー全員で考え、動画制作に至った。天候に左右されやすい上に、コロナもあって実施が叶っていない。丸子の渡しを知らない人にも動画を見ていただき、再開できた際には是非参加してほしい」と話している。
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