結婚時に改姓する、しないを選べる「選択的夫婦別姓制度」の法制化を目指し、幸区在住の岡田恵利子さん(38)が活動をスタートさせた。第一歩として、改姓による困りごとなど市民の声を集め陳情を提出する。6月市議会本会議での意見書の可決を願う。
岡田さんは全国的に展開している「選択的夫婦別姓・全国陳情アクション」に携わる。各地で陳情提出が進み、2010年に座間市、19年に横浜市議会、20年に神奈川県議会などで議論を求める意見書が可決されている。一方、川崎市ではいまだ動きが少ないことから、「地元から動かしていきたい」と1月12日に同アクション川崎支部を発足。ツイッターで有志を募り、賛同した川崎区在住の堀田実希(みきほ)さん(34)と共に、活動をスタートさせた。
夫婦別姓についてはこれまでも政府が策定した「男女共同参画基本計画」に盛り込まれてきたが、昨年12月に閣議決定された第5次同計画からは「選択的夫婦別姓」の文言が削除された。岡田さんは「長年議論されてきているが、一歩後退してしまった」と話す。
岡田さんはキヤノンでデザイナーとして約15年勤務後、現在はフリーランスとして働く。結婚後、戸籍上は改姓したものの、仕事では旧姓を名乗っている。デザイナーとしての過去受賞歴や実績は旧姓で残してきたもののため「姓が変わると信用にも関わる」と話す。現在は仕事のかたわら、大学院の博士後期課程に通うが、交換留学のためのパスポートやビザ発行でも申請や手続きにかなりの手間と時間がかかったという。「小学1年生の娘が将来大人になったとき、自分が感じてきたような不便を被らないようにしたい」と思いを語る。
今後、市議会への陳情提出に向けて市民からの意見を募る他、理解を得るため、議員との勉強会などを実施していくという。岡田さんは「長年使ってきた姓には愛着があり、アイデンティティでもある」とし、「多様性を大切にし、人権尊重が項目に含まれるSDGsに先進的に取り組む川崎から進めることに意義がある」と力を込めた。意見は【メール】bessei@niacari.jpで受け付け。
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