桜の名所として親しまれている住吉ざくら。渋川沿いに咲く341本のうち、14本の生育が「不健全」と診断されていたことが先月、分かった。区道路公園管理センターによると、落枝や倒木などの危険があるため、今年度中に6本は伐採する予定だという。
診断結果が判明したのは、6月の市議会定例会。市古次郎議員(共産)の一般質問に市が答えたもの。川崎市は昨年6月頃、来年度策定予定の「河川維持管理計画」の事前調査として、市内約2700本の診断を樹木医に委託して行った。
渋川では、川沿いに植樹されている341本のうち、123本が活力がなく「注意すべき点が見られる」、14本が倒木の危険がある「不健全」と診断された。
不健全になってしまうのは、老木化や巨木化が原因。桜は適切な植栽間隔が必要で、巨木化が進むと互いの枝や葉が重なって日照不足となり、枯れ始めることがあるという。渋川沿いの桜には倒木を防ぐための処理がされている木も見受けられ、台風の翌日に落枝が多くなってしまう現状がある。
渋川では今年度、護岸工事が予定されている。区道路公園センターはそれに伴い、不健全14本のうち6本を今年度中に伐採する予定。
渋川の桜は長年、地域住民などで構成される住吉観光協会のメンバーが見守ってきた。台風の翌日には清掃をしたり、近くに住むメンバーがパトロールを続けてきた。同協会の内田治彦会長によると近年、地元有志による桜の植樹を検討し始めていたが、伐採の話はこれまでしてこなかったという。「桜を見ていると中には寿命を感じる木があるのも事実。次世代の皆さんにも桜を楽しんでほしいので、今後も桜を守っていくために何ができるか考えたい」と内田会長。
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