福田紀彦川崎市長が4年前に掲げたマニフェスト(選挙公約) の達成状況を評価する検証会が9月12日、川崎市総合自治会館で開催された。自治体政策に詳しい関東学院大学法学部准教授の牧瀬稔氏ら5人による検証結果などが示されたほか、議論も交わされた。
検証されたのは、福田市長がマニフェストに掲げた「10プラス1」の政策に紐づく49施策。全体では245点満点中、212・6点で達成率は86・8%と評価された。
最高点の政策は、かわさきパラムーブメントで94・7点。中でも高く評価されたのは「川崎市差別のない人権尊重のまちづくり条例」の制定・施行だった。一方、最も低い77点にとどまった政策は「文化力とスポーツ振興」。公共建築物の建設費用の1%程度を芸術、文化振興に充てる「パーセント フォー アート」が未達成との評価だった。
検証報告を受け福田市長は、「人権条例はエネルギーを費やし、議会との総意の議決にこだわった。ただ、かわさきパラムーブメント政策はやればやるほど奥深さを感じた。高評価を受けた実感がない」と感想を述べた。一方、交差点の渋滞時間の削減政策が81・3点の及第点評価だったことに対し「交差点改良は、低コストでかなり効果を上げている。これこそ評価していただきたい。評価者にうまく伝わっていないかもしれない」と異を唱えた。
採点の仕方は、行政が施策を実施したか否かで判断する「アウトプット評価」で行われ、牧瀬准教授は「評価結果を改善して次に生かすことが重要だ」と述べた。
検証会を主催した川崎青年会議所(JC)の新井文人理事長は「検証会を通じて、市民一人ひとりに川崎の政治に興味を持つ機会にしてもらいたい」と話す。検証会の様子は、動画投稿サイト・ユーチューブの川崎青年会議所公式チャンネルで公開予定。
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