かつて小学校の校庭で多く見かけた薪を背負いながら書を読む「二宮金次郎像」。二宮金次郎(尊徳)は江戸時代に現在の小田原市栢山の農家に生まれ、作業を手伝いながら、勉学に励んだ。その姿が勤勉・倹約の象徴として、戦前から学校の正門横や玄関前に設置されるようになったと言われている。今回本紙では市内小学校に二宮金次郎がいくつあるかを調査した。
川崎市内の市立小学校114校のうち、像が確認できたのは10校。そのうち中原区は2校(上丸子小・中原小)だった。市内では他に川崎区に6校(浅田小・大師小・川中島小・東小田小・宮前小・渡田小)、高津区に1校(高津小)、宮前区に1校(向丘小)を見つけることができた。
校門のすぐ近くにある大師小学校(室賀俊二校長)の像は約90年前に、川崎大師など当時の地元有力者の寄贈で建立。長い歴史の中で破損してしまったものの、同小の130周年にあたる2004年に建て直された。再建には「学校に通う児童に頑張る心を大切にしてほしい」という思いが込められており、地元石材店が無償で像を寄贈するなど、多くの近隣住民や学校関係者が携わった。像は建立当初の土台の上に再建したため、上下で色が違う珍しいものだという。室賀校長は「真面目さの象徴として、子どもたちに一生懸命さを学んでもらえれば」と思いを語る。
中原小学校(八幡博子校長)の像は校長室の中に置かれている。高さ約40センチほどのブロンズ製で、市内にある像で屋内に設置されているのは中原小だけだった。作者や設置理由などは不明とのこと。八幡校長は「置かれていることを知らない児童は多い。興味を持ってもらえたらうれしい」と話していた。
市内では歴史の古い学校を中心に二宮金次郎が設置されていた。このお正月に近隣にある石碑やモニュメントの歴史を探ってみては。
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