夢見ヶ崎動物公園(幸区/村木芳夫園長)で飼育されていたハートマンヤマシマウマのビリーが2月6日、24歳5カ月で死亡した。昨年6月にはミドリ(22歳8カ月)も他界。同動物園には2頭の息子、アース(14歳8カ月)だけになった。現在、同種は日本国内に5頭。血統の関係で繁殖ができず、このままだと動物園でその姿を見られなくなる日が来るかもしれない。
ビリーは2004年に来園。ミドリとの間に、アースのほか、イブキ(オス・13歳5カ月/香川県しろとり動物園)、オリーブ(メス・10歳7カ月/広島県福山市立動物園)、キララ(メス・9歳1カ月/茨城県日立市かみね動物園)の3頭の子をもうけた。
国内5頭のうち4頭はきょうだいで、福山市立動物園のエイタ(オス・14歳6カ月)だけ血統が違う。仮にエイタとオリーブやキララの間に子どもができても、その後は近親交配になるため、繁殖できない。
生息地からの輸入について村木園長は「コロナ禍や、経済的な理由もあり、厳しい。繁殖のために個体数の少ない生息地から連れてくることに疑問を投げかける人もいる」という。動物園の「顔」的存在であり、長い目で見て、繁殖については可能性を探っていきたいとも話した。
ハートマンヤマシマウマはアフリカ南西部の山岳地帯に生息するシマウマの一種。絶滅危機にある危急種とされ、野生の生息数は約8千頭(2008年資料)。寿命は飼育下では約25歳という。
レッサーパンダも貴重
同動物園には他にも絶滅の危機に瀕している動物が飼育されている。同動物園の人気ものレッサーパンダもその一種。国内の多くの動物園で飼育されており、珍しさを感じないかもしれないが、実は絶滅危惧種。中国四川省やネパールなどに生息地が限られ、数は2500頭から1万頭と言われる。
中原区版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|