意見広告・議会報告
市政報告 ホームレス問題の現状についてホームレスからの脱出の難しさ 川崎市議会議員 松原しげふみ
十年以上前になりますが「ホームレス中学生」という映画がありました。ベストセラーになったお笑い芸人の自叙伝を映画化したもので、父親の借金が原因で夏休み前の中学二年生の主人公が一時期公園の滑り台で起居するホームレスとなったものの、友人の家族や民生委員の助けによって自立し、お笑い芸人に成長していくという笑いと涙の青春コメディーでありましたが、現実は映画のようにはいきません。
ホームレスになる経緯は様々であります。厚生労働省が自立支援等に関する施策の策定及び実施に資するための調査を自治体に委託しております。その内容は、毎年巡回による目視で人数を把握する概数調査と、概ね5年毎にアンケート形式で生活実態を把握する調査があります。令和3年11月に行われた東京23区、政令指定都市等の調査によると、路上生活に至った理由として「仕事が減った」が24・5%、「倒産や失業」が22・9%、「人間関係がうまくいかなくて仕事をやめた」18・9%が上位3件で、その他では「アパート等の家賃が払えなくなった」が13・0%でありました。また路上生活の直前の職業をみると、「建設・採掘従業者」12・9%であり、雇用形態は「常勤職員・従業員(正社員)」が45・8%、「臨時・パート・アルバイト」23・2%となっております。健康状態は「あまり良くない」「良くない」と訴える者が34・9%で、このうち治療を受けていない者が63・5%でありました。今後の生活については「アパートに住み就職して自活したい」が17・5%、「今のままでいい」は40・9%で、「求職活動をしている」が8・4%、「今も求職活動をしていないし、今後も求職活動をする予定がない」は75・5%でありました。
また調査によると、全国及び本市に於いては共にホームレス数は減少しているものの、60歳以上の高齢者が占める割合や路上生活5年以上となる割合が増加傾向にあります。市内のホームレスは2003年がリーマンショックの影響で1038人と最も多く、令和3年度の調査では男性155人、女性6人の合計161人で、13年連続で減少となっております。生活の場としては河川敷が32・0%で最も多く、区別にみると川崎区が全体の55・0%、次に中原区の24・0%と続きます。
本市ではホームレスの自立支援に関する特別措置法及び生活困窮者自立支援法の規定に基づき、「川崎市ホームレス自立支援事業実施要綱」を定め、ホームレスの人権に配慮すると共に、社会の理解と協力を得ながら、日頃から巡回相談を定期的に行い、ホームレスとなった方との関係を構築しながら、生活や健康状態を把握すると共に、自立センター等の案内や福祉事務所への相談について周知に努めております。ホームレスの方から自立に関する相談があった際には、本人の意向を確認し一人ひとりの状況に合った支援計画を作成のうえ就労や居住の確保に向けた支援を行い、アパート等での自立した生活を目指しており、地域で安定した生活を営み、再び野宿生活に戻ることのないよう支援を行っております。
なお、2021年度の社会福祉費の福祉事業費の決算金額は左の表の通りとなっております。
松原しげふみ事務所
中原区新城5-2-3
TEL:044-751-8855
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12月13日