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中原区 トップニュース教育

公開日:2023.05.12

私立中学進学率
中原区は7年ぶり下降
社会状況も影響か

 川崎市教育委員会は4月、市内の教育に関する基本的な統計資料をまとめた「年刊 教育調査統計資料」を公開。これによると、2021年度の中原区の私立中学校の進学率は25・6%で、市内で最も高かったものの、7年ぶりに下降に転じた。

 同資料は、市内の学校関係者を対象に行った調査を収録したもので、毎年刊行されている。今回の2022年度版は、昨年5月と10月に行った調査によるもので、市立学校の児童生徒数や教職員数、小・中・高校卒業後の進路状況などがまとめられている。

 これによると、21年度の市内の市立小学校卒業生は1万2210人で、このうち私立中学校への進学者は2153人と全体の17・6%を占める。中原区は卒業生2172人のうち557人の25・6%が進学し、市内で最も高かった。麻生区が21・3%、幸区が20・6%と続き、最も低かったのは多摩区で10・9%だった。

全市で下降傾向

 中原区の私立中学校進学率は市内では依然として高いものの、前年の27・3%からは1・7ポイントの減少。14年度から7年ぶりの下降となった。全市的には前年の18・1%から0・5ポイント減少しており、幸区を除く全区で前年より下降した。市教育委員会では「統計的な処理であり、分析はしていないため明確な理由は不明」とし「一般論として、交通の利便性や保護者の考え方、景気などの社会状況も影響しているのでは」と話す。

 中原区で学習塾を営む男性は区内の進学率が高い理由について「タワーマンション居住者など経済的にゆとりのある人が多く、進学塾も多い。少子化の中、子どもにあった特色ある教育を受けられるよう熱心に考える保護者が多いのでは」と推測。7年ぶりに下降した要因については「コロナで収入が減ったことなどが影響しているのでは」とする一方、教育改革による影響も指摘。「大学入試の変化に伴い、中学、高校受験も変化している。私立大では推薦入試が増えるなど人物評価重視に変わってきており、従来の詰め込み教育に疑問を持つ保護者が増えている可能性もある」と話している。

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