等々力緑地を管理・運営する川崎とどろきパーク(株)代表取締役社長を務める 小井 陽介さん 中原区在勤 57歳
笑顔を咲かせる成長戦略
○…等々力緑地全体の管理や運営など、市の指定管理事業者として始動し5カ月。球技専用スタジアムやアリーナの建て替え計画に注目が集まるが、目下の課題は緑地の認知度向上。「市民でもよく知らない人は多いと思う」と、肉フェスやビアガーデン、愛犬家が集えるイベントなどを次々と仕掛け活気をもたらしている。大手9社で構成する企業として「社員で知恵を絞り、汗を流し、民間の力を見せたい。仕込み中の企画もありますから」と眼差しは熱い。
○…東急に入社し、財務部門や不動産投資信託に携わり、東急電鉄では経営戦略部長を担うなど経営全般で手腕を振るった。直近で受けた試練はコロナによる打撃。鉄道利用者が激減し大赤字に陥り、社会に普及したテレワークも逆風となった。それでも貫いたのは「知行合一」の精神。「良い方向に進みそうな知識を得たならばまず行動」と、強い責任感で組織を動かしてきた。そんな中でも重んじたのは「安全面」。「あらゆるルールや利益よりも安全確保が最優先」と、鉄道事業者としての心得を今の社員にも伝えている。
○…小中は野球、高校はバスケ、大学ではアメフトとスポーツに打ち込んだ学生時代。今は観戦が趣味だが、「観客席や通路の幅など施設の設計も気になる」と社長の視点も。家に帰れば妻と娘3人の家族の大黒柱。ただ「家庭で何か決める時はいつも1対4。完全アウェーです」と苦笑い。
○…釣り池の水位が―、蜂の巣が―、天井から雨漏りが―。日々予期せぬ出来事の連続にも、「まさに現場で働いているんだ」とさらり。清掃活動も日課で「緑地がきれいになった」との近隣住民の声も励みだ。多くの人を満足させる「日本一笑顔あふれる公園へ」向け、成長戦略を描く。
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1月10日