川崎野球協会の会長を務める 森 勝利さん 幸区在住 80歳
先人の思いをつなぐ
○…学童から還暦・古希のチームまで327チーム約7千人が加盟する川崎野球協会。今年2月から7代目の会長を務めている。1948年に設立された歴史ある同協会。自身は、プレーヤーではなく、縁の下の力持ちである審判員として長年活躍してきた。「先人たちが作り上げてきた重みのある団体。責任と重責を感じている」と気を引き締めている。
○…野球とは中学生で部活をはじめてからの付き合い。高校卒業後は集団就職で故郷の岩手県大船渡市から川崎へ移り住み、町工場に勤めるが、20代前半で川崎市消防局に転身。そこでも野球チームに入り汗を流した。当時は入部希望者が多く、数年で後輩にユニフォームを譲り引退することになったが、野球に関わっていたいと、審判員としてグラウンドに立つようになった。「優秀ではなく、いたって普通の審判」と謙遜するが、20代後半から長年にわたり選手を支えてきた。
○…野球と同じように、熱中してきたのが書道だ。消防士だった頃、同郷の先輩に酒の席で習いに来いと誘われたことがきっかけだという。「酒を習いながら書も始めた」と笑うが、先輩に弟子入りし約30年間師事した。何事もやり始めたら熱中するタイプ。毎年開かれる書の公募展である読売書法展には10回以上入選を果たしている。その実力は、川崎市の「賞状書き」の依頼を受けるほど。野球協会でも大会に掲げる看板の揮毫も任されている。
○…野球や書は人との出会いを生み、人生を豊かにする大切なものになっている。「先輩たちからいろいろなことを教わった。礼儀作法から言葉遣いまで全部。今の自分があるのは皆さんのお陰。その思いを後輩たちにつなげていきたい」と力を込めた。
|
<PR>
|
|
|
|
|
|
|
<PR>
12月13日