はなまるクリニック(小杉町)の山本英世院長らスタッフ5人は6月3日、人命救助に貢献したとして中原消防署(熊谷智子署長)から感謝状が贈られた。診療時間外に近隣の店舗から救助要請を受け、客と医師、スタッフらが連携して救命活動を行ったことが評価された。
5月2日午後5時過ぎに、同クリニック近くの飲食店で食事をしていた70代の男性が倒れたと、店内にいた人がクリニックに「AEDありませんか」と駆け込んできた。診療時間外だったが、外来を担当していた高橋直人副院長、診療放射線技師の村上歩さん、看護師の寺岡有紀さんがAEDを手に飲食店に急行。座敷で横になっていた男性は意識がなく、心肺停止状態で、店内にいた客が心臓マッサージを行っていたという。高橋副院長らは、すぐに替わり、気道確保、心臓マッサージを行い、村上さんがAEDを作動させた。「機械が電気ショックが必要と判断した。その方の往診歴などがわからないので原因は不明だが、致死性の不整脈だったのでは」と高橋副院長は振り返る。
AEDで電気ショックを行ったところ、若干ながら自発呼吸を取り戻した男性。救急車が到着するまでの間、クリニックの往診担当の医師や、スタッフが応援に駆け付け、往診用のエコーなどを現場まで運ぶなどして、救助にあたり、救急隊に引き継いだ。男性はその後、入院、現在は日常の生活に戻ることができているという。
高橋副院長は「専門が異なるし、医師でもこういったケースはめったにないので緊張した」と当時の心境を語る。時間が経過するほど救命率が下がる中、飲食店にいた客、急行した医師、クリニックのスタッフが素早く連携して救命活動にあたったことで男性は一命をとりとめた。
中原消防署の熊谷署長は「クリニックの職員の皆さんが迅速で適切な救命活動を行い、尊い命を救うことができ感謝している」と謝辞の言葉を贈った。高橋副院長は「男性が助かったことが何よりもうれしい。医療者として最低限のことをしただけ。今回の経験でスタッフから何かできないかという声も上がっている。チームとして改めて講習などをしていきたい」と話している。
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