川崎市内での光化学スモッグ注意報の今年の発令回数が、7月22日現在で6回を数えた。2016年以降、年間の発令回数が2〜6回で推移してきたことと比べると、ハイペース気味だ。だが光化学スモッグのメカニズムには解明されていない部分が多く、市は「原因の特定は難しいが、市民生活の中でも協力を」と呼び掛けている。
光化学スモッグは、大気中の汚染物質「光化学オキシダント」の濃度が上がり、空にもやがかかったような状態になるもので、目や呼吸器に影響が出る場合がある。
具体的な発生メカニズムとしては、自動車や工場などから排出される窒素酸化物(NOx)や揮発性有機化合物(ⅤOC)などの原因物質が太陽の紫外線を受け、複雑な化学反応を起こすことで光化学オキシダントが生成されるといわれる。そのため気温の高さと空気の風速、日照量の3条件が重なると光化学オキシダントが生成される、とみられているが、市の担当者は「気象条件などから『今日は発令かな』と思っても発令に至らない時も、その逆もある」と予測の難しさを語る。
今年は市内で最初に発令されたのが6月26日で、7月に入り4日〜6日と3日連続、そして18日、22日と続いた。市は、気象条件などから「今日は発令に至る」と予測される場合には市内の事業者に対して工場などの排気内のNOxを調整するよう依頼するなど、対策を講じている。
市の調査によれば、大気中に排出されるVOCの年間排出量は工場や事業者が約8割を占める一方で、一般家庭やオフィス由来のものも2割に上る。
市の担当者は「整髪スプレーや殺虫剤、揮発性のペンキなど、VOCを含む商品の利用を避け、環境に優しいものを使うなど、市民レベルでの対策も欠かせない」として理解を求めている。
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