意見広告・議会報告
市政報告Vol.27 令和5年度の決算概要 川崎市議会議員 重冨たつや
7月25日の市議会委員会で、令和5年度の決算概要について報告がありました。予算時に想定されていた減債基金(以下、基金)からの借入を行うことなく運営できたとのこと。基金は20年後、30年後に市債償還(借金返済)を行うために積み立てているもので、本来であれば、この基金から借入を行うことはあってはなりません。川崎市では収支不足を補うために平成24年度から令和元年度まで継続的(平成27年度を除く)に借入を行っていましたが、令和5年度はその借入のうち10億円を基金に戻すことができたとのことでした。残る借入額は517億円です。
基金からの借入とは
基金からの借入が示しているのは「現在の行政運営に必要な財源の一部を、将来の税収から前借している」ということです。なぜなら、基金から借入を行った分は、将来の税収で基金に戻すことが市の方針として示されているからです。今回、令和5年度の税収で基金に10億円を戻したということは、例えば平成24年度に足りなかった財源を令和5年度の税収で補填したと考えることもできます。自治体は道路や公共施設をつくるときに市債を発行して資金調達をすることがありますが、それは将来世代も道路や公共施設の恩恵を受けるからです。基金からの借入という資金調達の手法はこれとは全く異なり、現在の財源不足を将来の税収を前借して穴埋めする手法といえます。
早期の借入解消を
ところで、令和5年度時点で基金に10億円を戻すということは市の計画にはありません。これまで市は「早期の返済」というスタンスを明らかにしてきたものの、計画上は令和10年度以降の返済が想定されていました。財務状況全体からしても令和4年度と比較して大幅に改善しているわけではないことから、返済に対する市の温度感が変わったように感じられます。現在の財源不足を将来の税収で補填するこの手法は、返済までの期間が長ければ長いほど、納税者間の公平性が損なわれるため、私としても早期返済が実現するように今後も財源対策や効率的な行政運営について提案してまいります。
重冨たつや
|
|
|
|
|
|
1月10日