意見広告・議会報告
市政レポートNo.172 浸水対策のPDCAサイクルは機能するのか? みらい川崎市議会議員団 副団長(政策調査担当) おしもとよしじ
近年、全国各地で台風や集中豪雨等の被害が多発し、本市でも令和元年東日本台風を教訓とした危機管理体制の構築を求めてきました。しかしながら、台風10号に伴う大雨が予想された8月29日夜半から30日未明にかけて各排水樋管に配置されるはずの排水ポンプ車について、手順通りに運用されていなかった事実が私の議会調査により判明。早急な検証と改善策、市民・議会への報告の在り方を検討するよう9月定例会にて質して参りました。その結果、11月21日の環境委員会にて、排水樋管周辺地域における中期対策の進捗が報告され、『危機管理体制の強化』の項目では、今事案で確認された新たな課題を踏まえて緊急改善・検証・マニュアル改訂・訓練のサイクルを継続的に実施する方向性が示されました。
担当局によると緊急改善の具体策として、これまで管路保全課に頼った職員参集体制を見直し、下水道管理職6名による連絡網を構築して情報共有・参集指示・相互確認を24時間体制で図ることや排水ポンプ車運用を担う協力業者の緊急連絡先を複数化するなど仕様を見直し、各下水道事務所でも急激な河川水位上昇等に柔軟かつ機動的に対応出来る体制としました。また、当局HPに掲載された山王排水樋管の流向流速計が、目視では河川への排出を示す「順流」であるにも関わらず、継続して河川からの「逆流」が表示される不具合への対応として、計測器メーカーと情報システム事業者で調査を行い、改善が図られた所です。さらに、検証等においては年内を目途に中間報告を取りまとめ、その内容をマニュアル改訂に反映し、それを基にした研修や参集から排水作業まで一連の訓練を実施。そこでの課題や更なる改善策を最終報告として年度内に示す予定との事です。
加えて、先の質疑で「関係町会などに適宜、説明の場を設けて意見を伺う」として10月29日には、山王排水樋管の周辺住民への説明が行われましたが「説明資料も無く、排水ポンプ車の配置指示から到着まで3時間を要するなど呆れる内容」「改善策について年内に説明があるのか」との声が寄せられた事から中間報告の資料を用いて年内に改めて説明機会を設けるよう求めた所です。議員の本分である市民の生命・財産を守るため今回示された危機管理体制のサイクルが着実に機能するよう今後も対応を強く促して参ります。
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11月29日
11月22日