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中原区版 公開:2025年1月24日 エリアトップへ

小杉3丁目町会 会員減少、3月末で解散 「地域のつながり残したい」

社会

公開:2025年1月24日

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「本心を言えば寂しいね」と話す五十嵐会長
「本心を言えば寂しいね」と話す五十嵐会長

 タワーマンションが建ち並び人口増加が続く武蔵小杉エリアにある小杉3丁目町会が、会員数の減少などを理由に3月31日で解散する。五十嵐俊男会長(81)は「街が大きく変わり、役員も高齢化する中、次の担い手も見つからず、残念だがやむを得ない」と話す。

 同町会内には区役所や警察署、商業施設などがあり、3棟のタワーマンションをはじめ、中高層のビルが建つ。2004年に1851人(1046世帯)だった人口は、24年9月時点で5508人(2621世帯)と3倍に膨らんだ。

 急速に人口が増える一方、町会の会員数は減少。五十嵐会長が就任した11年前に850人いた登録者数は650人になった。「新たな入会者もなく、実質400人を切っている」。かつて少年野球や鼓笛隊などの活動をしていた子ども会や婦人部は、7年前に解散した。コロナ以降は地域清掃や防犯活動も停止し、会費も徴収していない。会の運営は余剰金で賄っているという。

 町会内のマンション居住率は9割を超える。街の再開発や道路の拡張が会員数の減少に拍車をかけた。国道沿いの店舗や居住者は転居し、五十嵐会長は「以前の会長経験者も町会内に少なくなり、中心となる人物がいなくなった」と嘆く。

 町会解散に向けた話し合いが始まったのは2年前。7人いる役員もほとんどが70代後半で「自分たちが元気なうちに整理しようということになった」。昨年5月の総会で解散を決定した。

防災とごみ問題

 行政と市民をつなぐ自主組織である町会が解散することで問題になるのが、地域防災組織とごみ集積場の管理だ。五十嵐会長は「町会が解散しても、ごみ集積場や防災に関しては住民同士が互いに協力し合ってやっていくしかない。目の前に困っている人がいれば助けるのが人情。組織がどうのこうのの問題じゃない」と思いを語る。

 区危機管理担当の担当者は、町会の解散は自主防災組織がなくなってしまうことにつながると懸念する。「地域の代表者がいなくなるため、町会に代わる何らかの組織は必要になる。災害対策など地域住民らが求めるのであれば、これまでも行ってきたように説明に出向いていく」と話す。

 14棟のマンションが加入する(一社)武蔵小杉エリアマネジメントは、防災を中心に地域や住民間の連携を図る役割を担う。担当者は「マンション住民の中にも個人で町会に加入している人がいる。今後、町会の受け皿となり得るかどうかは手探り状態」という。

 五十嵐会長は町会が解散しても、地域の絆は大切にしたいと願う。正月に町会会館で行ってきた獅子舞を昨年から復活させた。「今年もマンション住民らが子どもを連れて訪れ、多くの人でにぎわった。地域のつながりは残していきたい」と期待を込める。

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