JR東日本が3月15日(土)から南武線の「ワンマン運転」を実施する。今後は運転士が車掌を兼務し、これまで車掌が行っていた駅側からの「発車メロディー」のボタン操作ができなくなることから、武蔵小杉駅など市内7つの駅で親しまれている「ご当地メロディー」が聞けなくなるという。
南武線はこれまで、車両先頭に運転士、車両最後尾に車掌が乗務する「ツーマン運転」を行ってきた。だがJR東日本では近年の人手不足などを背景に、より効率的な輸送を図るため、運転士がドアの開閉や発車メロディーの操作、車内放送等をすべて担当する「ワンマン運転」を導入。今後も首都圏の主要な線区で順次、採り入れる方針を打ち出している。
これに伴い南武線では車両最後尾のホームドア内側に備え付けられた駅側からの「発車メロディー」の放送ボタンを操作できなくなる。ワンマン運転開始後は、車両の側面にあるスピーカーから乗車を促す同一のメロディーを、すべての駅で流す予定だという。
地域ゆかりの曲
川崎市内の南武線では、この発車メロディーに地域ゆかりの曲を採用している駅が7つあり、それぞれ地元の魅力発信の一翼を担ってきた。
武蔵中原駅では、2013年1月から、上り線で『FRONTALE2000』、下り線で『FRONTALE20000』が使用されている。この曲は、サッカーJ1・川崎フロンターレのサポーターが試合時に応援歌として歌っているもの。『FRONTALE2000』は00年に制作され、『FRONTALE20000』は01年に制作された。同駅周辺の自治会や住民からの地域活性化の声を受け、実現した。
また、武蔵小杉駅では14年2月から、人気ロックバンドのザ・クロマニヨンズの『ナンバーワン野郎!』を使用。この曲の替え歌が、川崎フロンターレの応援歌になっており、サポーターからも親しまれている。使用が開始された日には、記念セレモニーも行われ、区役所や川崎F、JR、サポーターら関係者が出席し応援歌が披露された。
武蔵中原駅を利用している20代男性は「毎日のように聞いていたので、これから聞けなくなるのは寂しい」と話す。
JR東日本の広報担当者は「(今後)沿線地域の活性化につながるような、様々な取り組みを行っていければ」と話し、利用客や関係者らに理解を求めた。
![]() 2014年に武蔵小杉駅前で行われた記念セレモニー
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