「中原・平和をねがう原爆展」実行委員会の実行委員長を務めた 清水 陽子さん 苅宿在住 84歳
次世代へ平和を継承
○…中原市民館で3月7日から12日まで行われた「第15回中原・平和をねがう原爆展」。知人が行っていた核兵器廃絶の署名活動に協力していたことがきっかけで、初回の立ち上げから実行委員会に参加。企画や集客に努めてきた。今年初めて小学校の授業で児童が見学に訪れた。「悲惨なものを見せたくないという親もいる。現実、歴史を知ってほしいし、小学生に考えてもらう機会にしてもらいたかった」とその意義を訴える。
○…同展では、パネル展示、日本原水爆被害者団体協議会のメンバーや被爆者を招いて生の声を届けてきた。「核兵器は放射能で長年人を苦しめ、後々の差別も生んできた。それを多くの人に知ってもらいたい」。その思いが活動の源に。戦争の悲惨さ、平和の大切さを伝えていく活動を続け、被爆者が語った話を、今後記録としてまとめていく予定だ。
○…中国東北部、今はなき満州国の生まれ。4歳のときに敗戦。開拓団の管理者だった父を残し、母と弟の3人で1年間の逃避行生活。途中で弟を亡くし、飢えに苦しんだ記憶が今でも残る。「母はかなり大変だったはず」と思いを馳せる。シベリアに抑留された父が2年後に帰国。迎えに行った港で久々に父親の顔を見た時に、うれしさと照れで隠れてしまった。「父には、ずっとあのときのことを言われましたね」と懐かしがる。
○…大学時代に触れたロシア文学を原文で読みたいと、子育て中にラジオ講座などでロシア語を習い始めた。ツアーコンダクターとして現地に何度も渡り、翻訳者として本も出版するほどに精通。「健康にもなるし、リフレッシュにもなるので」と趣味の登山は60年続く。溢れる好奇心と行動力でこれからもさまざまな活動を続けていく。
|
|
|
|
|
|
3月14日
3月7日