2023年3月に解散した「神地下小田中共栄会」は2月下旬、残預金を活用して中原街道沿いに防犯カメラ4台を設置した。同商店会会長だった小泉繁勝さんは「商店会のレガシーとして地域の防犯に役立ててほしい」と期待を込める。
同商店会は、1949年に発足。大戸神社前の交差点から小杉十字路までの中原街道沿いの路面店で構成され、最盛期となる60年代に70店が加盟。以降は年々加盟店が減少し、最後は6店舗に。商店会としての活動が困難となったため、23年3月に解散した。
積み立ててきた活動費が余っていたことから、支えられてきた地域に対して「何か恩返しできることはないか」と近隣の上小田中橋場町内会と神地町内会に相談。町内会単独ではコスト面でハードルの高かった防犯カメラ設置の要望を受け、同街道沿いに設置することが決まった。
設置したのは4台。費用は同商店会の積立金と川崎市の補助金を活用。維持管理費は、両町内会が負担する。上小田中橋場町内会の鈴木幹雄町会長は「公園などに2台設置していたが、なるべく多い方がよい。今後、商店会に感謝状を贈りたい」と感謝の意を表する。神地町内会の斉藤孝夫町会長は「防犯や徘徊する高齢者、子どもたちの見守りに役立てていきたい」と展望を語る。
小泉会長は「最後に地域へ貢献したかった。地域に役立ててもらえたら」と話している。