市政報告vol.16 多摩川・鶴見川、同時洪水に備える市独自の対策を 川崎市議会議員 末永 直
8月も中旬を過ぎ、残暑が続きます。くれぐれも熱中症等にはお気をつけください。さて、この時期は台風やゲリラ豪雨等が予想される時期でもあり、気をつけなくてはなりません。昨年施行された改正水防法に基づき、国土交通省京浜河川事務所が公表した5月30日の多摩川の洪水想定によると、浸水時の最大水位は多摩川沿いで局所的に18メートルを超えるとの予測が出ました。
川崎市では「アミガサ事件」に象徴されるように、いかに水を制御するかが長年の大きな課題でした。アミガサ事件百年の会「趣意書」には「明治43年の水害は、史上空前の大水害といわれ、多摩川・鶴見川からあふれ出した水で、北は大森から南は鶴見に至るまで、まさに『京浜間海と化す』(『横浜貿易新報』)ありさまとなりました」と記されています。大正3年のアミガサ事件の2年後には有吉堤が竣工、大正7年には現堤防が着工しました。築堤運動に尽力した先人達に敬意を表します。
私は、本市の洪水想定の危機管理について去る6月17日、議会で質問しました。総務企画局長は「従来は多摩川による浸水が想定されていなかった矢上川の北側まで浸水想定区域が拡大している」と答弁。矢上川北側まで浸水0・5メートルから3メートルの想定です。
日を追って8月2日に国土交通省より鶴見川水系の洪水浸水想定区域が公表されたので本市の危機管理室職員にレクを受けました。元住吉駅前で0・8メートルの浸水が想定されていました。
突っ込んで聞いて驚いたのですが、多摩川・鶴見川の氾濫想定は公表されましたが、最悪の事態、つまり両河川が同時に氾濫した場合の想定は「ない」のです。先の質問で総務企画局長は、「避難行動の考え方や、開設すべき避難所の見直しを図る」「洪水ハザードマップの作成等について関係局区とともに検討し、説明会の開催や市政だより、市ホームページ等を通じて周知したい」とも答弁しましたが、国が想定したらやる、といった後手後手の対策ではなく、早急に本市独自の対策が必要だと考えます。
「すえなが」の「が」は、「ガッツと絆で安心安全の防災を」です。この夏の暑さに負けず、がんばります。
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11月29日
11月22日