北部(宮前区)と南部(幸区)にある川崎市の「卸売市場」に変化が起こりそうだ。市は昨年の市場法改正を受け、市場経営プランの改訂案を示した。大幅な規制緩和に伴い、「築地場外市場」のような施設を設置する可能性も浮上している。
昨年6月に市場法改正があり、大幅な規制緩和が盛り込まれた。施行は2020年6月。これを受け川崎市は「川崎市卸売市場経営プラン」の改訂に着手し、今年3月22日に改訂案を発表した。16年策定の経営プランは、10年計画で北部と南部の卸売市場の経営展望など運営方針を示している。
改正市場法は、産地直送やネット通販など食品流通の変化に伴い、規制緩和=自由化に乗り出したものだ。これまで中央卸売市場は一定規模の自治体のみが開設できたが、民間事業者でも開設できるようになった。
卸売市場を継続して運営するか否かを判断する必要に迫られた川崎市は、経営プラン改訂案で「卸売市場の維持は必要かつ合理的」と結論付けた。「市民への食の安定供給」「災害時の対応拠点」「物流拠点としての優位性」などを理由としている。
また、改訂案には規制緩和を活かした市場運営として「市民に親しまれる市場化等、新規機能の導入の推進」との施策も導入されている。
「築地の場外市場」
市経済労働局の市場担当者は「市が市場を運営することに市民の理解を得る必要がある。そのため、市民が市場に足を運ぶための施設の設置を検討している。具体例を示すなら『築地の場外市場のような施設』も検討材料の1つ」と説明する。
卸売市場は基本的に業務用で、一部イベント以外に一般市民は買物できなかったが、日常的に買物できる場所に変わる可能性も出てきた。
一方、「周辺事業者の理解も必要」としており「見学施設や食育・花育が体験できる施設に留まる可能性もある」と話す。
経営プラン改訂案は、意見公募を4月末まで実施。結果を7月上旬に公表予定。
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