川崎市職員労働組合(萩原周子中央執行委員長)と川崎地方自治研究センター(江井茂理事長)は川崎市の財政構造を分析した財政白書を先月下旬に発刊した。
白書は、同組合と同センターが2009年から毎年発行する。川崎市が総務省に提出する決算カードをもとに作成。予算と決算には2年のタイムラグがあり、今回は2017年度が対象。
A4判140ページ。3章で構成され、第1章では、安倍政権の経済政策や財政運営の問題点と自治体財政の関連性について触れる。この中では<国家財政再建のシナリオが見えないなか、そのしわ寄せは国民生活に加え自治体行財政の自立性を損なう方向に向かっている印象を持つ>と述べる。
第2章は、2017年度の川崎市の収支決算や歳入・歳出の推移などをグラフ、他の政令市の状況とともに紹介し、解説文を添える。ふるさと納税や消費税引き上げ分の使い道などのトピックスを囲み記事で掲載する。
第3章は、外国人向けワンストップ窓口の整備について特集し、開設に向けた検討経過から綴る。法務省主導による整備への懸念の項では、<入管行政上の対策を講じなければならないとするあせり>から法務省が外国人向けワンストップ窓口の整備を急がせたとの見方を示す。<外国人市民の基本的人権を守るということを信念とする運営を行っていく>ことが現場に求められていると締めくくる。
執筆に携わった大橋嶺之介さんは「多文化共生施策に携わる方や考えている方にも手に取っていただければ」と話す。
川崎地方自治研究センターでは、現在、財政白書を無料で配布中。【電話】044・244・7610
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