川崎市役所に勤める広岡真生さんが、ダウン症の長男・歩睦(あゆむ)さんとの16年間の生活を父親目線で綴った『誰だって誰かのヒーローになれる ダウン症児子育ち日誌』(言叢社)をこのほど、出版した。広岡さんは「ダウン症に対する理解の一助となれば。福祉とは関係のない分野にいる人に手に取っていただきたい」と語る。
広岡さんは歩睦さんが生まれた際、医師から心臓疾患とダウン症を告知された。衝撃を受けた一方、周囲の人と話をするうちに「変わった子育てになりそう」だと予感。多くの人に知ってもらおうと、2005年3月から組合の機関紙に連載を始めた。読者からの反響も大きかったことから書籍化。著書は15年の連載に加え、胎児のダウン症を調べる新型出生前検診(NIPT)や相模原障害者施設の殺傷事件でクローズアップされた優生思想についてもページを割き、親の思いとして文章にしている。
著書は4章で構成。日々のやり取りの中で感じる子どもの成長の楽しさの中に、健常児と何ら変わらない驚きと発見が綴られている。広岡さんは生活保護や児童虐待対策などに携わった経験から「ダウン症児からみた閉塞感のある社会のありようを浮き上がらせ、新しい見方を提供した」と執筆への思いを語る。「ダウン症児の将来は豊かさや可能性に満ちている。幸せの物差しが色々あることも知っていただければ」とも強調する。
価格は1682円税別。北野書店はじめ市内主要書店、アマゾンなどで購入できる。
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