新年にあたり、本紙では永山実幸中原区長にインタビューを行った。昨年の区政運営などを振り返るとともに、新しい生活様式に合わせたまちづくりの展望などを語った。
(聞き手/本紙・中原区編集室 有賀友彦)
――昨年を振り返り、手応えがあった部分と反省すべき点をお聞かせください。
「コロナ禍では新しい生活様式を踏まえ、感染対策を講じながら職員一丸でまちづくりを推進できたのは良かったと思います。特に昨年11月に宮内中学校で実施した市総合防災訓練では、避難所の入口で避難者の体調などを判別し、これまでの避難所とは違い、密を避けた慎重な対応に注力しました。地域住民の協力を得て進める中で、要配慮者やペットへの対応など新たな発見もあり、今後の訓練に生かしていきたいと思います。また、なかはら子ども未来フェスタでは、本来親子連れで賑やかなイベントながら、昨年は密を避けた新たなスタイルで実施でき、新たな触れ合いの形を考えるきっかけになりました。
反省点としては、コロナの影響が及ぶ中で、取り組みが足りなかった部分があったと思います。例えばリモートの活用。環境が整わず、アイデアや創意工夫も不足しました。窓口業務や行政サービスの提供方法が今までと大きく変化しながらも区民と向き合う必要がある中、どのように取り組むべきかを検討していかなければなりません」
「互近助(ごきんじょ)」で支え合いを
――コロナ禍で見えた、中原区の可能性と課題はありましたか。
「この状況下でも、コスギサードアヴェニューや等々力緑地の硬式野球場など魅力的なスポットが誕生し、来夏頃にはこすぎコアパークがリニューアル予定で、中原区の可能性の高さを改めて感じています。スポーツでも、優勝した川崎フロンターレをはじめ、川崎ブレイブサンダース、NECレッドロケッツなどスポーツパートナーも盛り上げてくれました。
課題としては、接触を避けることで区民同士のつながりの希薄さを懸念しています。特に防災面では、区民の安全安心のために、共助・互助といった近隣で支え合う「互近助」という考えも取り入れながら、少人数でもつながりを持ち、力強く住みよいまちづくりの推進に取り組む必要性を感じています」
――2021年のテーマと抱負、まちづくりの展望などについてお聞かせください。
「テーマは『新化』です。大きな変革を迎えた時代において、区役所でも新しい生活様式に合わせた新たな工夫を凝らした区政運営を進めるという思いを込め、『進化』と絡めた新化です。情報に対するアンテナを広げ、民間の新技術に遅れることなく常に先を見据えて、着実に取り組みを進めたいと思います」
――区政運営を進めていく上で、重点課題を教えてください。
「これまで同様、区民の安全安心を最優先に、強くて優しいまちづくりが区政を進める上での大前提です。今、コロナや風水害への対応を急ぐあまり、地震に対する意識が薄れているように感じます。常に自然災害や複合災害に備え、地域の防災訓練などでの実践的な取り組み、区民にしっかり伝わる広報なども心掛けていきます」
――昨年の市総合防災訓練の避難所開設訓練では、実践的ながら感染対策のため区民参加が制限されたのは残念でした。
「当日の訓練の様子を区民の皆さんに広く知っていただけるよう、解説付きの動画を今作成しており、今年2月下旬には配信できる予定です。ぜひご覧いただき、自助や共助、互助につなげ、コミュニティの輪を広げてもらい、区としても地域包括ケアシステムと連携して取り組みを支援していきたいと思います」
――最後に区民へメッセージをお願いします。
「令和4年度は区政50周年を迎えます。その前年度として機運を高めていけるよう職員一丸で取り組んでいきます。今は厳しい状況が続きますが、引き続きご協力をお願いいたします」
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