平間銀座商店街(石井雄介理事長)で今月から、店舗利用客の自転車に札を掛け、駐輪への理解を呼びかける取り組みが行われている。しかし川崎市の条例では公道への自転車の放置を禁じ、店舗前に一時的に止める自転車も撤去対象。利用客に配慮する商店街の姿勢に市は理解を示しつつも、現段階での許可は難しいとし、商店街と話し合いながら方法を探りたい考え。
店舗前の自転車に掛けられたオレンジ色の札にある「お客様ご来店中」の文字。店舗名が記され、美容院や医院などサービス提供時間が長い場合に取り付ける。石井理事長は「商店街にとっては大切な顧客。特に高齢者は店舗と駐輪場が離れていると大変。札があれば持ち主が店の中にいると分かり、必要な場合にもすぐに動かせる」と意図を話す。
川崎市では、1987年に「自転車等の放置防止に関する条例」を施行。歩行者や緊急車両の妨げになるとして、公道に自転車等を止めることを禁じている。駅の周辺は市によって放置禁止区域に定められており、即時撤去の対象となる。一方、買い物客が多い夕方の時間を中心に、店舗前の公道に自転車が駐輪される状況が全市的に見られるという。
石井理事長は今年6月、市建設緑政局に取り組みを提案。商店街として8月から始めた。市担当者は商店街の心情に理解を示しつつも、「他の商店街との兼ね合いや放置禁止区域であることから、今すぐに認めるのは難しい。だが、撤去が目的なわけではない。商店街や警告・撤去を担う区道路公園センターと一緒に方法を前向きに考えたい」と話す。
駐輪場の充実促す
ただ、「条例がある以上、公道へ止めることはなくす必要がある」と市担当者。駐輪場の設置も同時に促していきたいとし、「ちょっとしたスペースや空き地を駐輪場とし活用する民間事業者が増えている。連携できれば」とする。市では、駐輪場整備費の補助金も設けている。
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