気象庁が史上最短の梅雨明けを発表した6月下旬から、県内では35度を超える猛暑日が続いた。川崎市教育委員会が熱中症への警戒を呼び掛ける中、区内の小学校では屋外での活動や校外学習を制限する動きが見られる。
梅雨明け後の記録的な暑さで、市内では熱中症による救急搬送は昨年同時期の34人から185人と5倍以上に増えている(7月3日時点)。
白幡台小学校(宮前区)で6月28日、約2キロの距離を歩いて校外学習に出掛けた6年生の児童のうち11人が学校に戻った後に不調を訴え、10人が熱中症の疑いで救急搬送された。当日の県内の最高気温は35・5度。市教委の担当者は「校外学習の中止を求めるような通達は出していないが、熱中症に対する注意喚起の情報は毎日のように発信している」と警戒する。
こうした状況を受け、西丸子小学校では、7月4日に4年生の校外学習として予定していた多摩川でのがさがさ体験を急きょ延期した。筒井愛子校長は「学校から多摩川まで炎天下を歩かせる危険性を考え、校長判断で決めた」と話す。同校では7月に入り、休憩時間などの校庭での活動も中止し、プールの授業も短縮。今後は様子を見ていくとし、校外学習ができない場合は教室内での授業に切り替える方針だ。
毎年、多摩川での校外学習を行っている多摩川クラブ中原の内藤隆代表は「河原は日陰もなく、石の照り返しで体感温度が高くなる。安全のためにテントを張るなどの対策もしているが、今年のような暑さでは延期の決定もやむを得ない」と残念がる。
7月入り搬送者増
市消防局によると、熱中症による救急搬送者数は6月19日までの3週間は週当たり21人から24人と前年同様だったが、6月26日までの1週間で47人、7月3日までの1週間では185人と急激に増えた。連日の猛暑日に比例して、さらに増加していく傾向にあるという。市消防局の担当者は「例年、熱中症による救急搬送は7月に入ってから本格化する。暑さに体が慣れる前の高齢者や地面との距離が近い子どもは注意してほしい」と呼び掛ける。
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