創立50周年で、桜やベンチを寄贈した川崎市造園建設業協同組合の理事長を務める 井上 雅博さん 上新城在住 54歳
「感動」を与える明日へ
○…公共の景観づくりから住宅の庭木の剪定まで、緑の魅力を伝え続けて半世紀。同じ節目を迎えた市内5区に桜の木と木製ベンチを贈った。「市民の皆さんに少しでも緑に関心を持ってもらえたら」。29社が加盟する組合員の技術向上にも力を注ぎ、市内外の緑化エリアや庭園の視察、由緒ある京都にも出向き感性を磨く。2年後に川崎市が会場となる全国緑化フェアへの協力も掲げ、「緑溢れる川崎のまちづくりを進め、全国に発信したい」と力を込める。
○…造園業を営む祖父を手伝い始めたのは小学生の頃。家業を継ぐことは自然の流れだった。それでも簡単ではない職人の世界。「草木は生き物。扱いを誤れば枯れてしまう」。口数少なく怒鳴ることもなかった父の背中を見て、黙々と技術を学んだ。時代の変化を感じていたある日、意を決し、父に「事業の方向性を変えたい」と進言。「お前の好きなようにやれ」――息子を3代目として認めた瞬間だった。
○…高校の部活でトランペットに打ち込み、マーチングバンドの全国大会で優勝。米国ディズニーランドのパレードで演奏した思い出は一生の宝物。「人を感動させる喜び」を、今も同部OB会長として現役の生徒に伝え続ける。数台所有する車も趣味の一つ。「子どもたちが使うことが多いのに、洗車と給油は私の役割」と苦笑い。
○…6年前に他界した父が、亡くなるその日まで気にかけていたのは若い技術者の成長。後継者の育成は、業界全体の課題と捉える。「親方の言葉にイエスしか言えなかった時代ではない。お客様からの見られ方も昔とは違う」。厳しく指導しているのは、身なり、態度、言葉遣い。人として成長したその先に、感動を与える造園職人の姿があると信じて――。
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7月5日