富士通川崎工場(上小田中)は3月14日、川崎市が設立したペットボトルの再利用に取り組む「かわさきプラスチック循環プロジェクト」に参画すると発表した。同工場内で回収されるペットボトルのリサイクルに加え、富士通が独自に開発したアプリを利用し社員の環境意識の醸成にも努めていく。
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同プロジェクトに参画するのは9事業者目で、中原区では初となる。同工場では今後、回収されたペットボトルを市内のリサイクル業者や飲料メーカーなどと協働し、何度もペットボトルとして再利用できる水平リサイクルを促進。プラスチックの循環を推進し脱炭素社会の実現に貢献していきたい考えだ。
脱炭素社会の実現へ
同工場では、共有部にリサイクルボックスを設置、今年1月は471kg(500mlペットボトル1万6千本相当)を回収した。ペットボトルの水平リサイクルは新たに製造するよりもCO2を約6割削減できるといわれている。同工場でもリサイクルを促すポスターを掲出するなどして回収量の拡大へ啓発を行っている。
また、ペットボトルは液体が残った状態ではリサイクルできず、ラベルやふたが付いたままでは不純物が混入するなどの理由でリサイクルが難しくなる。「正しい分別方法」を広めるため、同工場ではアプリを利用し社員の意識を高める取り組みも実施している。
アプリは市と連携し環境に配慮した生活スタイルに行動変化を促す実証実験で使用されているもので、コンテンツ視聴やイベント参加などができ行動の変化を支援する。
同プロジェクトには市内のリサイクル事業者をはじめ、小売業のイトーヨーカドーやセブン─イレブン・ジャパン、飲料メーカーのアサヒ飲料などが参加。市内で回収したペットボトルをリサイクル事業者が加工し、飲料メーカーがペットボトルとして再利用し消費者へ届けている。
同工場のような社員が出すプラごみを再利用する事業所が加わるのは今回が初めて。市の担当者は「市民や街の事業所、商店街に水平リサイクルの取り組みが拡大していく優良事例になるのではないか」と期待している。富士通の担当者も「リサイクルの取り組みの拡大を目指し、行政や市民の方々と連携しながら、脱炭素社会の実現に貢献していきたい」と抱負を語る。
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