中学生以下のボクシング全国大会決勝が9月3日に後楽園ホール(東京・文京区)で行われ、今井小学校6年の高山萌乃香さん(11)が、U12女子32・5キロ級のチャンピオンに輝いた。
東日本代表として出場した高山さんは西部日本代表との頂点を決める一戦でリングに登場。多くの観客が見守る中でも普段通りの動きを見せ、スピードと手数で相手を圧倒。力強いパンチでダウンを奪うなど、2ラウンドTKOで勝利をつかんだ。高山さんは「憧れの後楽園のリングだったので最初は少し緊張したけど、試合が始まったらいつも通りに集中して動けた。力を出し切れてすっきりした」と笑顔で振り返った。所属する北澤ボクシングジム(中原区丸子通)の北澤公徳会長は「得意の右ストレートと左のアッパーを試合でも打つことができて素晴らしかった。真面目に練習してきた成果を出してくれた」と目を細めた。
仲間にも恵まれ
高山さんがボクシングを始めたのは小4の頃。テレビで格闘技を目にし、「私もやってみたい」と両親に懇願。真剣な思いを伝え、自宅から近いジムに通い始めた。当初は年下とのスパーリングでも思うように動けず、悔しさで涙を流すこともあったが、1日3時間を週4日、サンドバッグやミット打ち、ステップなどのトレーニングを欠かさず、会長や先輩に助言を求めてめきめき上達。「練習では自分を限界まで追い込む」と決め精神面も成長してきた。
仲間にも恵まれている。昨年の全国大会低学年の部でチャンピオンになった高橋りおさん(西丸子小4年)は、同ジムで切磋琢磨する友達。「2学年下だけどパンチが強くて、一生懸命で諦めない気持ちも刺激を受けている」と高山さん。
オリンピックと次の夢
高山さんの夢はボクシングでオリンピックに出場すること。そして「その経験をいかしてスポーツ庁で働き、スポーツに取り組む子どもたちの環境を良くしたい」とも。そんな将来を思い描く背景には、幼少期からぜんそくに悩まされていた体験がある。「ボクシングをするようになって風邪もひかなくなった。いろんな状況で悩んでいる人たちを応援したくて」との思いも芽生えてきた。
世界4階級を制覇した井上尚弥選手の活躍で練習生が増えているという同ジム。高山さんも「井上選手の動画を見て研究している。もっと強くなりたい」。あくなき挑戦は始まったばかりだ。
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