子どもへの虐待防止を訴える「オレンジリボンたすきリレー」が、10月22日に川崎市内などで行われた。中原区では社会福祉協議会(上小田中)と新日本学園(木月伊勢町)を経由し、職員らが走者として参加した。
11月の児童虐待防止推進月間にあわせ、養護施設や団体の関係者らがオレンジ色のたすきをかけて駅伝形式でつなぐこの取り組み。2007年から東京と神奈川で始まり、16年に川崎コースを開設。今年も市内2ルートでランナーが虐待防止を呼び掛け力走した。
11時すぎ、社協を出発したランナーが予定通り新日本学園に到着すると、子どもたちや職員が拍手で歓迎。約10分間の交流後、バトンタッチした同学園職員が走者としてゴールに向けスタートを切ると、手作りのうちわで声援が送られた。
溝口駅前では初めて、児童虐待防止の啓発グッズやチラシを配布。川崎リバティライオンズクラブら8団体の関係者が、「ひとりじゃないよ、ひとりにしないよ」と表記したプラカードやのぼりを掲げ、通行人に呼び掛けた。新日本学園への継続的な支援を続ける同クラブの山本賀也会長は「一人でも多くの人に支援の輪を広げていくことが大切」と話した。
啓発活動は11月に、アゼリア(川崎駅前)の広報コーナー、川崎フロンターレや川崎ブレイブサンダースの試合のほか、市主催のフットサル大会(12月)も行われる。
児童虐待「高止まり」か
昨年度に市内3カ所の児童相談所と川崎市が受け付けた児童虐待相談通告件数は5598件で、前年度よりも234件減り10年ぶりに減少に転じた。しかし、児童虐待応対ダイヤル「【電話】189」の普及や警察との連携で周知が進んだことにより、高止まりしているとの見方もある。
市こども未来局の担当者は「件数が減ったから虐待が減少しているとは一概にいえない。今後も支援の強化が必要」と話す。新日本学園の三浦崇志園長は「母子家庭で新たなパートナーによるDV(家庭内暴力)が増えていると感じる。子どもを独りにしない居場所づくりやシングルマザーへの支援の充実が必要だ」と訴えた。
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