川崎市内の医療機関と行政機関が連携を強化し、感染症対策を円滑に進めるための「新興・再興感染症発生等想定訓練」が9月14に中原区役所で実施された。日本医科大学武蔵小杉病院が主催し、市内南部のICT(感染制御)に関わる病院関係者や保健所、市健康安全研究所職員ら約80人が参加した。
訓練では機関ごとに10グループに分かれ、医療関係者らが今回のテーマである「麻疹」に対応するため、病院やクリニック、保健機関の役割と流れを確認。受診した患者へのワクチン接種の確認などの初期対応から感染症状の情報共有、病院間や行政との連携を確かめた。訓練経験者である日医大のスタッフが各グループを支援するファシリテーターとして加わり、各機関の連絡方法は電話でやり取りし、実戦に即して行った。
参加者は訓練の間に中間発表を行い、終了後には課題を抽出して問題点をグループごとに発表。行政からの情報提供を速やかに院内スタッフに周知する難しさ、短期間に必要な情報を共有することや他施設との連携を課題に挙げ、日ごろからの関係づくり強化の必要性を共有した。
日医大武蔵小杉病院の谷合信彦院長は「未知の感染症に対応するためにも関係機関が一緒に訓練することが大切」と訴え、川崎市医師会の野口肇副会長は「実践に即した訓練からいろいろな課題が見つかるはずだ」と有効性を説いた。
総括した市健康安全研究所の岡部信彦さんは「行政と医療機関が集まり、これだけの規模で行う訓練は全国的にも珍しい。川崎市が先頭に立ち、こうした訓練のノウハウを全国に広めていきたい」と話した。
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