神奈川県全域・東京多摩地域の地域情報紙

  • search
  • LINE
  • MailBan
  • X
  • Facebook
  • RSS
中原区版 公開:2024年9月20日 エリアトップへ

タクシーのライドシェア 「日本版」全国で導入へ 「全面解禁発言」、波紋も

経済

公開:2024年9月20日

  • X
  • LINE
  • hatena
JR武蔵小杉駅前の乗り場に集まるタクシー
JR武蔵小杉駅前の乗り場に集まるタクシー

 一般の人が自家用車で客を運ぶライドシェアを巡り、国土交通省は9月4日、タクシー事業者が運営主体となる「日本版ライドシェア」を全都道府県で導入する方針を打ち出した。これを受け、神奈川県全域で取り組みが本格化する中、自民党総裁選で浮上した「ライドシェア全面解禁」論に動揺が広がっている。

 海外の「ライドシェア」では一般ドライバーが自家用車で客を運ぶ運用だが、「日本版」では安全性の問題を考慮し、タクシー事業者が「ライドシェア運転手」を雇用して研修を行うなどして安全性を担保する運用だ。政府は今年4月、車両が不足する地域で特定の時間帯に限り「日本版」を解禁。県内では川崎市を含む「京浜交通圏」で実施中だ。

 一方、バス停や電車の駅までが遠く、タクシーを呼んでも時間がかかる「交通空白地」は依然として全国的な課題。市内でも「空白地」に近いエリアは現存する。国交省はこの「空白地」解消を目指し、「日本版」の運用を見直したうえで、年内にすべての都道府県での導入を目指す方針を打ち出した。県タクシー協会によると、方針を受けて県内全域で「日本版」の導入に向けた動きが進んでいるという。

 導入に向け、タクシー会社の社長が実践するケースも多い。川崎タクシー(川崎区)では国交省の方針に先立ち準備を進めてきた。7月には、関裕之社長自身が準備を整え「ライドシェア運転手」として市内で実車を体験。「特に『アプリ配車』の安全性を把握したい」と考えたという。関社長は「おおむね安全だと確認できた。乗客の方々から『タクシー会社の運営だから安心』との声も聞けた」と語る。

 ライドシェアを巡り、財界や政界の一部がタクシー事業者以外への「全面解禁」を求めているが、「日本版」の運用による効果が認められたため「推進派」の動きは沈静化したかに見えた。だがここにきて、超党派の国会議員による「ライドシェア勉強会」の会長である小泉進次郎氏が自民党総裁選に出馬、「全面解禁」を公約に掲げる。

 県タクシー協会の幹部は、「業界全体で『日本版』に取り組んでいる矢先なのに」と苦々しい表情を浮かべる。「全面解禁を求める企業は利益の薄い地方に関心がない。彼らの参入で中小企業であるタクシー会社がつぶれ、交通空白地はますます広がる。全面解禁を訴える推進派の方々は、問題の本質を理解していないのではないか」

中原区版のトップニュース最新6

自転車「ながら運転」防止へ

県警本部・中原警察

自転車「ながら運転」防止へ

携帯4社連携、啓発強化

11月22日

年内に事業認可へ

南武線立体交差

年内に事業認可へ

11月23日・24日 説明会

11月22日

等々力でロケット打上げ

市民団体FUEL

等々力でロケット打上げ

40mの高さまで発射体験

11月15日

「告白の旅」を映画化

HIV患者の福正さん

「告白の旅」を映画化

海外でLGBTQ特別賞

11月15日

夢と笑顔、宇宙へ届け

新城小

夢と笑顔、宇宙へ届け

2月、写真をロケットで

11月8日

佳子さま、緑化祭で川崎に

佳子さま、緑化祭で川崎に

地元中学生と記念植樹

11月8日

意見広告・議会報告政治の村

あっとほーむデスク

  • 11月22日0:00更新

  • 11月15日0:00更新

  • 11月8日0:00更新

中原区版のあっとほーむデスク一覧へ

コラム一覧へ

中原区版のコラム一覧へ

バックナンバー最新号:2024年11月22日号

もっと見る

閉じる

お問い合わせ

外部リンク

Twitter

Facebook