川崎市国際交流センターで「ソプラノ・リサイタル」を開く 福岡 言美さん 井田三舞町在住 21歳
初の凱旋公演で歌声届け
○...国際交流センターの大ホールは、井田小に通っていた子どものころからバレエや音楽劇の発表会で何度も立った舞台。ソプラノ歌手として初の凱旋公演だが、そこに気負いはない。「檀上からの景色が懐かしい。育ててくれた地元への恩返しの思いを込めて歌いたい」。演目は、子どもから大人まで楽しめる曲にしたいと何度も考えた。同じ東京藝大に通う同期が、ピアノを弾いてくれるのも心強い。
○...歌の道を歩むことに決めたのは、進学を考え始めた高2と早くはない。小さなころから歌うことは好きだったが、将来は父と同じ理系の方面に向かうと思っていた。「勉強はいつでもできるけど、歌と向き合うには今しかない」。かつてオペラ歌手として活躍していた母や、周囲の人々からも背中を押された。
○...中学、高校時代は軽音楽部でギターを担当。母への反抗の気持ちもあったが、友人たちと音楽を奏でるのは楽しかった。「でも、マイクを通した自分の声が大音量の楽器の音と嚙み合わなくて」。生で歌うソプラノは、美しく軽やかな声そのものを聴衆に届けることができる。「指先からつま先まで、全神経を研ぎ澄まし振り絞る。自分にしか出せない声で人の心を震わせたい」
○...のんびり屋で、おっとりしたマイペースな性格という。大の動物好きで、息抜きスポットは大学近くにある上野動物園。必ず見に行くのがサル山だ。「まるで人間のように仲間たちと一緒に楽しそうに過ごしている姿に癒されます」と笑みがこぼれる。この秋に大学院に合格し、来年からさらなる歌の道を探究する。「いつか活動の場を世界に移し、もっと多くの人へ自分の歌声を届けることが目標」。夢を語るときの瞳は、真っ直ぐに将来を見つめた。
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11月15日