本物と同じ構造を持つロケットを約40mの高さに打ち上げる「川崎ロケット教室」が12月22日(日)、等々力緑地で開催される。市内在住の伊東悠太さん(34)が代表を務める同プロジェクトFUEL(フエル)が主催。子どもたちに成功体験を通じて自信や勇気を与えることが狙い。
全長38cmのロケットは、発射ボタンを押すと0・3秒で時速200Kmに達し、上空へと飛び出す。約40mの高さに到達すると自動でパラシュートが開き、ゆっくりと降下。教室には小学校低学年から参加でき、専用のキットを使い、自分の手でロケットの組み立てから発射までを行う。
伊東さんは大学卒業後、市内の小中高の教員として11年間教壇に立ってきた。そんな中で「子どもたちに自信を持ってもらい、自分を好きになるきっかけをつくりたい」と、ロケット教室を開くことを決意。2022年6月、社員20人の小さな町工場で生産から打上げまで行う北海道の(株)植松電機が実施したモデルロケット教室に参加して、ロケットマイスターの資格を取得した。植松電機はテレビドラマにもなった、作家・池井戸潤氏の小説『下町ロケット』のモデルになったことでも知られている。
「できた」を自信に
同年、伊東さんは川崎市を拠点とするロケット教室のプロジェクト団体を結成し、5人のメンバーで活動をスタート。これまで生活保護・非課税世帯の子どもらを対象に、市内の校庭などで6回教室を開いてきた。伊東さんは「ロケットをつくることが目的ではなく、『自分の力でできた』という喜びから自尊感情を高める機会になってほしい」と思いを込める。
課題となっているのが開催会場の確保。ロケットのエンジンには手持ち花火の3分の1程度にあたる5gほどの火薬を使用するため、発射する場所は電線などの障害物がない40平方メートル以上の広さが必要になるという。
22日はすでに定員に達したため募集を締め切ったが、正午から約30分間、等々力緑地の運動広場で行うロケット打上げは自由に見学可。悪天候の場合は中止。次回は来年2月下旬に実施予定で、参加募集は1月ごろから始める。詳細は同団体のウェブサイトで。
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