動物愛護センター 犬の返還率が低下 「不況で捨てる」飼い主に警鐘
動物愛護精神の醸成を目指し、長年にわたり人とペットの関係を見つめてきた川崎市動物愛護センター(高津区蟹ヶ谷)によると、近年、同センターに収容された犬の返還率が低下しており、不況の影響で動物を捨てる飼い主の増加に懸念が広がっている。同センターは「責任を持ってペットを世話してほしい」と市民に呼び掛けている。
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川崎市動物愛護センターは長年にわたり、迷い犬などの保護や健康管理、譲渡情報の提供を実施している。このほか狂犬病の予防対策、動物由来の感染症などの調査研究も継続している。
「責任持って世話を」
さまざまな理由で飼い主が飼育を放棄し、愛護センターが収容するペットは後を絶たない。同センター所長によると、収容したイヌを再び飼い主が引き取った割合を示す返還率はここ数年、2007年の76%(収容196頭中149頭)をピークに年々低下。09年には66・6%(収容126頭中84頭)と、07年比で約10ポイント減少した。
返還率の低減について、同所長は「意図的にイヌを捨てた飼い主が増えていると言えるのでは」と話す。飼育放棄の背景には、08年に発生したリーマンショック以降の不況の影響があるのでは、とも指摘。経済的理由での飼育放棄が増加しているとの懸念を示し、「最期まで責任を持って動物を飼ってほしい」と強調する。
生き物の命の尊さを市民に広く伝えようと、同センターではイヌ、ウサギ、モルモットなどを連れて地域の小学校や老人ホームなどを訪問する「動物ふれあい教室」を開催している。09年度は小学校を中心に計3796施設で実施。同所長は、今後、小学校低学年だけでなく、動物の生態への理解がより深まる高学年の児童向けにもふれあい教室を開きたいと話している。
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12月13日