ロシア公演を行った和太鼓グループ「祭音(まつりね)」の代表 山本 忠利さん 上平間在住 72歳
祭りの音を伝え続ける
○…5回目となる海外単独公演を8月19日と21日、ロシアのニジニ・ノブゴロド市とロシア連邦チュヴァシ共和国で行った。日本各地に伝わる約10演目を披露し、会場に詰めかけた計1500人の観客からスタンディングオベーションを受けた。現地のアンケートでは『感動的な演奏』『感銘を受けた』など賞賛の声ばかり。「多くの人が喜んでくれてた。その姿を見ると本当に嬉しくなるし、やりがいだよ」。満面の笑みを見せる。
○…電力会社で働きながら、20歳の時に幸区の京浜協同劇団で演劇を始め、その中で和太鼓に出会った。「誰でも叩くことができて、達成感も味わえる」。その魅力を感じ、78年に「平間わんぱく少年団」、95年には中学生以上のグループ「和太鼓祭音」を結成した。現在はあわせて約80人が所属。多くの太鼓を並べてひたすら打つのではなく、「太鼓が中心となっていた昔ながらの祭りの雰囲気を、そのまま舞台で表したい」と、日本各地に伝わる演目を取り入れ演奏している。また、演劇の経験を活かし、ミュージカルやヒップホップの要素も加えるなど、斬新で躍動感のある舞台となっている。
○…現在は孫2人が少年団に在籍。「孫と太鼓を叩くのは老後の楽しみ。いつか3人で舞台ができればね」と表情がほころぶ。かわさき国際交流民間団体協議会の会長も務め、地域での国際化の推進や文化交流を行っている。忙しい日々を送っているが、合間を縫っては奥さんと旅行へ。「どこかに連れてって言われるからだよ」と話すが、年に1回は仲良く海外へ行くおしどり夫婦だ。
○…地域の保育園でも、33年間太鼓を教え続けている。人との関係の中で体験した様々なことが子どもの中に蓄積されていくといい、「仲間同士で助け合えたか、聞いた人が喜んでくれたか。太鼓を通じて、相手を思う心を感じてほしい」。一打一打に思いを込めて、祭りの音を伝え続ける。
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12月13日